国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

ラオスの「サバナケット地区上水道施設改善計画」ほか2件に対する無償資金協力について

平成13年6月28日

  1. わが国政府は、ラオス人民民主共和国政府に対し、「サバナケット地区上水道施設改善計画」の実施に資することおよび「食糧増産援助」並びに債務救済のための無償援助として、総額11億4,240万2,000円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月28日(木)、ビエンチャンにおいて、わが方宮本吉範在ラオス大使と先方ソムサワート・レンサワット副首相兼外務大臣(H. E. Mr. Somsavat LENGSAVAD Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。

    (1) 「サバナケット地区上水道施設改善計画」
    (The Project for Rehabilitation of Water Supply Facilities in Savannakhet Area)
    6億3,800万円
    (2) 「食糧増産援助」
    (Grant Aid for Increase of Food Production)
    4億5,000万円
    (3) 「債務救済のための無償援助」
    (Grant Aid for Debt Relief)
    5,440万2,000円


  2. (1)サバナケット地区上水道施設改善計画

     ラオス第2の都市であるサバナケット市は、同国南部の木材・農産物の集積地であり、人口は6万人を越え現在も増加しており、水道の需要が極めて高い。しかし、地下水等の代替水源は皆無であるためサバナケット市唯一の水源となっているナケ浄水場は、施設の老朽化のため処理能力が当初の1日当り15,000立方メートルより1日当り12,000立方メートル程度まで低下するとともに、故障、間欠運転の弊害を生じている。今後、何の対策も講じないまま浄水場施設の老朽化が進行した場合、2年後には1日の最大需要量に対して供給量が不足することが予想されている。
     このような状況の下、ラオス政府は24時間安定した給水の確保、衛生的な水道水の供給、給水圧力の改善等を行うため、施設能力を復旧することを目的とした「サバナケット地区上水道施設改善計画」を策定し、この計画の実施のための同施設の改修に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (2)食糧増産援助

     ラオスの農業は国内総生産(GDP)の5割以上を生産し、全労働人口の7割以上を雇用するなど同国の重要な経済基盤である。食糧生産は低地では主に水稲、北部・中部高原では主として陸稲、トウモロコシおよびイモ類が栽培されているが、いずれも生産基盤が脆弱で、前者の水稲栽培地帯については、灌漑施設の未整備が問題であり、後者の畑作地帯では機械化の遅れ、肥料不足により焼畑移動耕作が行われており、その縮小が課題となっている。
     このような状況の下、ラオス政府は、食糧の安定的生産、焼畑移動耕作の縮小を図るために、同国中南部を対象とする「食糧増産計画」を策定し、この計画のための肥料および農業用機械の購入につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)債務救済のための無償援助

     この無償資金協力は、ラオス政府が1988年3月31日までにわが国政府と行った円借款取決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、平成13年3月から4月までに返済期限の到来した元本および約定利息のうちの実際の返済額に相当する額を供与するもので、債務救済措置の一つである。
     この無償資金協力により贈与する資金は、ラオスの経済の発展と国民福祉の向上のために必要な生産物等の購入のために使用される。
     1978年3月の国連貿易開発会議(UNCTAD)第9回特別貿易開発理事会(TDB)閣僚会議では、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国がこれらの開発途上国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置を取るよう努力すべき旨の決議が採択された。今回の無償資金協力は、この決議に鑑み、ラオスとわが国の友好協力関係を強化することを目的として、わが国の無償資金協力の一環として実施するものである。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る