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フィリピンの「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画(詳細設計)」ほか3件に対する無償資金協力について

平成13年6月27日

  1. わが国政府は、フィリピン共和国政府に対し、「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画(詳細設計)」、「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画」、「水理実験棟建設計画(詳細設計)」および「水理実験棟建設計画」の実施に資することを目的として、総額21億4,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月27日(水)、マニラにおいて、わが方荒義尚在フィリピン大使と先方テオフィスト・ギンゴナ副大統領兼外務長官(Teofist T. Guingona Jr., Vice President and Secretary of Foreign Affairs)との間で行われた。

    案 件 名 供与限度額
    (1)「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画 (詳細設計)」3,300万円
    (2)「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画」 (国庫債務負担行為)12億7,000万円
    (平成13年度 5億8,400万円)
    (平成14年度 6億8,600万円)
    (3)「水理実験棟建設計画(詳細設計)」 4,600万円
    (4)「水理実験棟建設計画」 (国庫債務負担行為) 7億9,900万円
    (平成13年度 3億4,300万円)
    (平成14年度 4億5,600万円)


  2. 「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画」(詳細設計および国庫債務負担行為)
    (The Project for Rehabilitation of Apron at Angat Afterbay Regulator Dam)

     アンガット川灌漑用調整ダムはマニラ首都圏に近接し、米の二期作を主としたフィリピン最大の穀倉地帯である中部ルソン地方において中心的な役割を果たしている。同ダムは1926年に完成したフィリピンで最も古い灌漑用の取水堰であり、これまで機能維持を図るため、数度にわたり施設の改善・改修が実施されてきた。1998年には下流側コンクリート水叩き部分の損傷が発見され、フィリピン政府により一時的な損傷防護工事が実施されたものの、抜本的対策とは言い難く、放置すれば近い将来にダム全体の崩壊が懸念されている。しかしながら、永久的対策をフィリピン自国で緊急的に実施することは、技術的問題および予算上の制約により極めて困難な状況にある。
     このような状況の下、フィリピン政府は「アンガット川灌漑用調整ダム護床改修計画」を策定し、この計画のための改修工事に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、ダム全体の崩壊とそれに伴う洪水被害が未然に防げるとともに灌漑地区の安定した農業生産が確保されることが期待される。

  3. 「水理実験棟建設計画」(詳細設計および国庫債務負担行為)
     (The Project for Construction of a Hydraulic Laboratory Building)

     フィリピンでは、これまで地震・洪水・暴風雨等の自然災害によって甚大な被害を受けていることから、フィリピン政府は防災担当政府機関の能力拡充と各レベルの災害調整委員会の強化を目標に掲げている。
     そこでフィリピン政府は、洪水・砂防技術者の育成を目標としたプロジェクト技術方式「治水・砂防技術センター」の実施をわが国に要請し、研修・技術基準の策定等を主な活動内容とすることで合意された。
     しかしながら、「治水・砂防技術センター」で使用する管理研修棟、宿泊棟、水理実験棟のうち、水理実験棟の建設については、財政不足による予算的な制約、および水理実験を行うためのポンプ・水槽・実験観測機器等の設置に関する技術的問題により、フィリピン政府による実施が極めて困難な状況にある。
     このような状況の下、フィリピン政府は「水理実験棟建設計画」を策定し、この計画のための水理実験棟建設および実験用機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、フィリピンにおける治水・砂防分野の技術者育成と技術力向上に寄与するとともに、洪水・土砂災害等を軽減させ、フィリピン全土の経済発展に貢献することが期待される。
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