
モルディブの「第四次マレ島護岸建設計画」に対する無償資金協力について
平成13年6月19日
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わが国政府は、モルディブ共和国政府に対し、「第四次マレ島護岸建設計画(the project for the Seawall Construction in Male'Island(phase IV)」の実施に資することを目的として、6億5,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月19日(火)、スリランカのコロンボにおいて、わが方大塚清一郎在モルディブ大使(スリランカにて兼轄)と先方アブドゥル・アジーズ・ユースフ駐スリランカ・モルディブ高等弁務官(H.E.Mr.Abdul Azeez Yoosuf, High Commissionor of the Republic of Maldives in Sri Lanka)
との間で行われた。
- モルディブの首都マレが位置するマレ島は、地盤が極めて低く、高潮の被害を受けやすい状況にある。既存の護岸は、珊瑚礁を砕いて積み上げた堤をコンクリートで固めただけの非常に脆弱なものであり、かつ老朽化も著しく多数の箇所で崩壊・陥没しており、これまでに高潮による浸水被害が繰り返し発生している。特に1987年のサイクロンによる高潮災害の際は、マレ島の1/3が冠水し、甚大な被害を受けるとともに、同国の首都機能が麻痺した経緯がある。わが国は、1987年から89年に緊急事業として、無償資金協力によりマレ島南岸の離岸堤の建設を行ったほか、1991年から92年にマレ島全体の海岸防災計画を策定するために開発調査を実施し、護岸整備の必要性を提言した。この調査結果を受けたモルディブ政府の要請により、わが国は3回にわたり、マレ島の護岸整備を無償資金協力により実施し、西岸、東岸、南岸の護岸建設を行ってきた。このような状況のもと、モルディブ政府は、マレ島北岸の整備を行うため、「第4次マレ島護岸建設計画」を策定し、この計画のための護岸整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施によりマレ島における高潮災害を回避することが可能となり、島民約7万5,000人の生命、公共施設・民家の安全性の確保および同国首都機能の保全が図られる。また、首都マレの玄関口である北岸を整備することにより、同国の産業基盤が確保されることとなる。
- わが国政府は、1987年から89年にマレ島の南岸の離岸堤の建設(20億5,100万円)、1994年から95年に同島の西岸護岸の建設(13億6,800万円)、1996年から97年に同島の東岸護岸の建設(11億7,800万円)、1998年から99年に同島の南岸護岸の建設(14億800万円)および2000年にこの計画の1期目として同島の北岸護岸の建設(8億200万円)の無償資金協力を実施してきている。この案件の実施により、マレ島の護岸整備に関するわが国の一連の協力が完了することとなる。