
エチオピアの「第二次幹線道路改修計画」に対する無償資金協力について
-経済発展のための基盤整備を目指して-
平成13年6月8日
- わが国政府は、エチオピア連邦民主共和国政府に対し、「第二次幹線道路改修計画」(the project for Rehabilitation of Trunk Road, Phase II)の実施に資することを目的として、11億8,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月8日(金)、アディスアベバにおいて、わが方野上武久在エチオピア大使と先方ムラトゥ・テショメ経済開発協力省次官(Dr.Mulatu Teshome, Vice Minister of Economic Development and Cooperation)との間で行われた。
- エチオピアでは、穀物等を輸送する国内流通の大部分を道路交通に依存しており、幹線道路整備は長年食糧不足に苦しむ同国の食糧事情の改善にとって、また、同国経済の活性化のみならず、地域住民の教育、医療等社会サービス向上の観点からも緊急の課題となっている。しかし、道路整備状況は極めて低水準にあり、その道路網の総延長は23,812kmのうち舗装道路が約3,500kmに過ぎず、殆どが30年以上も前に建設されたもので既に老朽化している。
このような状況のもと、エチオピア政府は、被援助国(開発途上国)が中心となって各分野の開発計画(基本計画)を作成し、各援助国(ドイツ等)・国際機関(世界銀行等)が調整を行った上でその計画に沿って資金援助を行う「セクタープログラム(SP:Sector Program)」を道路分野において積極的に推進している。
エチオピア政府は、このSPのもと、1996年1月の援助国会合において基本計画として「道路分野10カ年計画(1997-2007)」を発表した。
この計画の一環として、エチオピア政府は、「第二次幹線道路改修計画」を策定し、この計画のための特に緊急性が高いとされる北西幹線道路の改修に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。北西幹線道路は、首都アディスアベバから放射状に伸びる5つの幹線道路の一つであり、エチオピア最大の穀倉地帯であるオロミア州、アムハラ州、ティグレ州とを結んでいる。
- この計画の実施により農産物の輸送力強化に貢献し、平成10年度から実施中の「幹線道路改修計画」とあわせ、北西幹線道路の地域人口約960万人(全人口の約17%)に対して、経済・社会活動に必須の道路事情を大幅に改善し、住民の生活のみならず、種々の産業活動、公共サービスの質的向上を図ることが期待される。