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モンゴルの「ウランバートル市道路整備計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成13年6月4日

  1. わが国政府は、モンゴル国政府に対し「ウランバートル市道路整備計画」および「鉄道線路基盤改修計画」の実施に資することを目的として、総額25億1,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月4日(月)、ウランバートルにおいて、わが方花田麿公在モンゴル大使と先方エルデネチョローン外務大臣(Luvsangiin Erdenechuluun, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。

    案 件 名 供与限度額
    (1)「ウランバートル市道路整備計画」(国庫債務負担行為) 16億4,300万円
    (平成13年度 7億4,100万円
    (平成14年度 5億4,200万円
    (平成15年度 3億6,000万円
    (2)「鉄道線路基盤改修計画」(国庫債務負担行為) 8億6,900万円  
    (平成13年度 5億2,200万円
    (平成14年度 3億4,700万円


  2. (1)モンゴルの首都ウランバートルには、モンゴル全人口の1/4(約63万人)が集中しており、今なお都市部への人口流入が進んでいる(人口増加率2.4%)。それに伴い、同市における車両台数の増加も著しく年率7%の伸びを示している。しかしながら、特に厳冬期における凍結融解の繰り返しにより路面の悪化が加速度的に進行しているだけではなく、渋滞が慢性的に発生し経済活動に支障を来しており、交通事故も頻繁に発生している等の問題が生じている。
     このためモンゴル政府は、これらの問題を解決すべく市内道路網の早急な整備・修復の実施に取り組んでいる。特に優先的な課題として、交通事故が多発している交差点の改良実施や、厳寒な気候のもと路盤の老朽化が激しく、急激な交通量増加に伴い渋滞が慢性化しているウランバートル市内の基幹道路幅の拡張・改良が挙げられる。
     このような状況の下、モンゴル政府は「ウランバートル市道路整備計画」を策定し、この計画のための道路および交差点の改修に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、ウランバートル市内において円滑な交通が確保されるとともに交通安全対策の向上に寄与することが期待される。

    (2)内陸国であるモンゴルでは、鉄道が長距離国内輸送および国際輸送について重要な役割を果たしている。特に南北を縦貫しロシアと中国を結ぶスフバートル~ザミンウッドに至る幹線は、道路網整備が遅れていることもあり、モンゴルにおける幹線輸送機関としての役割を果たしている。
     しかし、輸送事業を開始し50年を経過した現在、橋梁・盛土等の線路基盤施設は、本格的な修復工事がなされていないことに加え、厳寒な気象条件等の影響もあり、老朽化が著しく進行している。特に雪解け時期や雨季においては、自然河川の氾濫、線路横断排水路の容量不足による線路冠水、路盤の崩壊および落石等が恒常的に発生し、しばしば列車の運休を余儀なくされ、国民生活を支える物流の確保が困難となり、モンゴル経済に大きな影響を与えている。
     このような状況の下、モンゴル政府は「鉄道線路基盤改修計画」を策定し、この計画のための改修工事に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、モンゴル鉄道の北部区間の計45カ所において落石防護対策、河川護岸整備、鉄道横断排水溝増強、橋梁改修等の工事が実施され、安定的な物流の確保や鉄道沿線に居住する約100万人の安全かつ確実な輸送が確保されることが期待される。
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