
エジプトに対する無償資金協力(食糧増産援助)について
平成13年6月3日
- わが国政府は、エジプト・アラブ共和国政府に対し、8億4,000万円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が6月3日(日)、カイロにおいて、わが方須藤隆也在エジプト大使と先方アフマド・エル・ダルシュ計画大臣兼国際協力担当国務大臣(Dr.Ahmed El-Dersh,Minister of Planning and Minister of State for International Cooperation)との間で行われた。
- エジプトにおける可耕地は、国土の3%未満であり、ナイル川流域および首都カイロ以北のデルタ地域に集中している。農地は、個人所有が主流であるものの、農家の95%以上が2ヘクタール以下の零細農家となっている。一方、人口は毎年約2%以上で急激に増加しているため、食糧需要が増加の一途をたどっており、同国政府は食糧増産を農業政策の最重要課題としている。
特に、主要食糧作物である小麦については、伝統的農法による非効率性、農業用資機材の不足、労働力不足・労働賃金の高騰などが原因で、生産が伸び悩んでおり、不足する国内需要を補うため輸入に頼らざるを得ず、これが国際収支、財政収支の両面で大きな負担となっている。
このような状況の下、エジプト政府は、食糧の自給体制の確立を図るために小麦の生産増大と供給安定化を目的として、「シャルキーヤおよびダカリヤ県小麦増産計画(Project for Increase of Wheat Production in Sharkia andDakhlia Governarates)」を策定し、この計画の実施のための農業機械、農薬および肥料の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画により、エジプトのシャルキーヤおよびダカリヤ県の人口計約926万人に対して、小麦のより一層の安定供給が図られることが期待される。