
ナイジェリアの「ポリオ撲滅計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成13年5月30日
- わが国政府は、ナイジェリア連邦共和国における「ポリオ撲滅計画」(the project for Eradication 0f Poliomyelitis)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、7億4,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月30日(水)、アブジャにおいて、わが方佐々木高久在ナイジェリア大使と先方ロジャー・ライト在ナイジェリア・ユニセフ事務所代表代行(Mr.Roger Wright, Officer-in-Charge, Representative of the UNICEF Office in Nigeria)との間で行われた。
- 世界のポリオ撲滅活動は着実に進展しているが、南西アジア地域およびアフリカ地域で未だ多くのポリオ患者がみられている。ナイジェリアの予防接種は、 1996年からは各援助国・機関等の協力のもと、確実に成果をあげているものの、予防接種活動の進展とは相反して、ポリオの発生件数が1998年の312件から2000年には637件と増加している。増加の原因としては、ポリオの発症に対するモニタリング体制が整備されつつあることが考えられるが、ポリオの高い発生件数は、未だワクチンの接種活動が地方等全人口まで行き渡っていないことを示しており、ナイジェリアがアフリカで最も人口の多い国であり、他国への感染を防ぐ意味でもポリオ対策の実施の必要性は非常に高い。
ナイジェリア政府は、ユニセフ等国際機関、援助国、NGO(非政府組織)の支援を受けて、1996年から5年間にわたってポリオ・ワクチン全国一斉投与(NID)を実施している。最近のNIDでは100%近い接種率を記録しているものの、通常接種でのポリオ・ワクチン接種率が低いため、引き続きNIDの実施が必要とされている。このため、ナイジェリア政府、WHO(世界保健機構)およびユニセフは、2001年11月および同年12月に第3回および第4回NIDの実施を予定しているが、NID実施においてナイジェリア政府が負担できる部分は同国財政事情等により極めて限られており、各援助国・機関等の援助に頼らざるを得ない状況となっている。
このような状況のもと、ナイジェリア政府、ユニセフおよびわが国政府との間で第3回および第4回NIDへの援助の可能性につき検討が行われ、その結果、ナイジェリア政府およびユニセフは、第3回および第4回NID実施のための「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画のためのポリオ・ワクチンの調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- なお、本件協力により、約2,000万人の5歳以下の児童へのポリオ・ワクチンの接種が可能になる。