平成13年5月22日
(1) | 「マクユニ・ンゴロンゴロ間道路整備計画」 (the Project for Makuyuni-Ngorongoro Road Rehabilitation)
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(2) | 「債務救済のための無償援助」 (Grant Aid for Debt Relief) 9,501万5千円 |
タンザニアのマクユニ・ンゴロンゴロ間道路は、アルーシャからドドマ方面へ南西に延びる幹線道路上のマクユニに分岐し、世界遺産に登録されているンゴロンゴロ自然保護区(マニャラ湖、ンゴロンゴロ・クレーターおよびセレンゲッティ等の有名な国立公園を含む)の入口まで延長約77kmに及んでいる。これらの国立公園に世界中から訪れる観光客は後をたたず、1999年実績の訪問者数はアルーシャ州の観光客数の54%を、タンザニア全体では32%を占めている。
また同道路の位置するアルーシャ州は、ダルエスサラームに次いで経済活動の盛んな地域のひとつであり、主食メイズおよび小麦等の全国有数の農業生産地である。このほか牛・羊・山羊の飼育頭数も全国第1位を記録している。このため、同道路はムブルやオルデアニ等の農村部からアルーシャ市への農産物の輸送にも使用されている。
こうした経済発展の可能性を有しているにもかかわらず、政府予算の不足から長期間十分な維持管理がなされてこなかったため、同道路は雨期には通行不能(年約30日)になり、道路としての十分な機能を発揮していない。
このためタンザニア政府は「マクユニ・ンゴロンゴロ間道路整備計画」を策定し、この計画のための道路整備の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、通年交通が確保できる。また、マクユニからンゴロンゴロまでの移動時間の大幅な短縮、輸送費の低減により、同地域の経済・社会開発に大きく寄与することが期待される。
(2)「債務救済のための無償援助」
この無償資金協力は、タンザニア政府が1998年3月31日までにわが国政府と行った円借款取決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、平成13年1月から2月に返済期限の到来した元本および約定利息のうちの実際の返済額に相当する額を供与するもので、債務救済措置の一つである。
この無償資金協力により贈与する資金は、タンザニアの経済の発展と国民福祉の向上のために必要な生産物等の購入のために使用される。
国連貿易開発会議特別貿易開発理事会においては、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国がこれらの開発途上国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置を取るよう努力すべき旨の決議が採択された。今回の無償資金協力は、この決議に基づき、タンザニアとわが国の友好協力関係を強化することを目的として実施するものである。