平成13年5月17日
(1) | 「国道七号線コンポンチャム区間改修計画」 平成13年度 6億3,200万円 平成14年度 8億4,900万円 平成15年度 4億9,400万円 |
19億7,500万円 |
(2) | 「プンプレック浄水場拡張計画」 平成13年度 7億3,600万円 平成14年度 15億1,700万円 平成15年度 3億2,700万円 |
25億8,000万円 |
カンボジアの道路は、総延長約33,700kmであるが、幅員は7m程度と極めてせまく、これら道路のうち未舗装の道路は77%を占めている。このような状況は1970年代から続いた内戦により運輸部門への十分な予算割当てが行われなかったことに加えて、例年発生するメコン河の洪水の影響のほか、過積載車両の走行が多い事情によるものである。このような状況から、わが国をはじめ、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行(WB)、オーストラリア等が主要幹線道路整備補修あるいは新規道路、橋梁整備等の計画に協力しているものの、未だに幹線道路の整備は非常に遅れている。
このような状況の下、カンボジア政府は、現在建設中のメコン架橋から東南に伸びる国道七号線の道路の改修および2橋梁(モアットクモン橋、ミレアムテック橋)の架け替えを目的とする「国道七号線コンポンチャム区間改修計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画により、2002年3月に予定されているメコン橋梁の開通以降の大幅な交通量の増加に対応可能となるのみならず、例年発生する洪水に対して安全な交通輸送が確保されることとなる。
(2)「プンプレック浄水場拡張計画」
(Project for Expansion of Phum Prek Water Treatment Plant)
プノンペンでは長期にわたる内戦等の混乱の中で、水道施設は破壊され著しく老朽化し、その維持管理は放棄されていたため、市内の給水状況は極度に悪化していた。このような状況を改善するため、1993年、わが国政府は同市の上水道機能の回復を目的とした開発調査「プノンペン市上水道整備計画」を実施し、2010年を目標年次とした水道マスタープラン(基本計画)を作成した。このマスタープランを受けわが国をはじめ各援助国・機関(世銀、ADB、仏等)が水道事業の復興に協力してきた結果、同市の浄水場の生産能力は内戦終了後の63,000m3/日から120,000m3/日に増加し、ほぼ市街部全域の配水管網が更新されている。しかしながら、市の人口は年間5%で急激に増加しており、これに比例して需要水量も増加しているため、供給水量の不足が年々拡大している状況にある。水道が普及していない市民は、雨水や湖沼水、浅井戸等を使用したり、水販売業者から不衛生な水を購入しているが、水道公社の6倍~23倍の価格で販売されており、生活を圧迫している。また、水道公社の施設の老朽化により世界保健機関(WHO)の水質基準を満たしていない点も指摘されている。
このような状況の下、カンボジア政府は、マスタープランで緊急に実施されるべき第二次改修計画として提言されていた、プンプレック浄水場の50,000m3/日の拡張および老朽化した施設の改修のため「プンプレック浄水場拡張計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、この計画の実施により、水の供給量の増加および既存浄水場の浄水水質の改善され、54.5万人に安全な水が供給可能となるのみならず、本浄水場の給水地域の水道普及率が60%から2005年に100%となる。また、この浄水場で生産された水は貧困地域に優先的に給水され、貧困層の給水状況が大幅に改善されることとなる。