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ボスニア・ヘルツェゴビナの「モスタル市公共輸送力復旧計画」に対する無償資金協力について

平成13年5月15日

  1. わが国政府は、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府に対し「モスタル市公共輸送力復旧計画」の実施に資することを目的として、7億6,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月15日(火)、オーストリア共和国のウィーンにおいて、わが方伊集院在ボスニア・ヘルツェゴビナ大使(オーストリアにて兼轄)と先方ケチョ・イサコヴィッチ在オーストリア・ボスニア・ヘルツェゴビナ大使(Her Excellency Ms. Emina KECO-ISAKOVIC, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Bosnia and Herzegovina to the Republic of Austria)との間で行われた。

  2. モスタル市は、ヘルツェゴビナ地方の中心都市で、戦前より多くの企業、教育機関、文化施設が集中していた。しかし、市内を流れるネレトヴァ川をはさんで東にムスリム、西にクロアチア人が居住していたことから、内戦の激戦地となり、川に架かる7橋梁すべてが破壊されたことをはじめ大きな被害を受けた。モスタル市のバス会社の被害も甚大で、バスの多くが戦闘中に破壊・略奪にあったほか、それらを免れたバスも交換部品の調達がままならず稼動できなくなった。
     このため、保有していたバスのうち大半が運転不能となり、事業の約9割、総額約1千万ドルの被害を被った。
     このような状況の下、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府は、モスタル市バス路線の復旧により市民の日常の足を確保し経済活動の活性化を促進すること、および内戦で傷害を受けた市民の通院用の交通手段を確保することを主たる目的とした「モスタル市公共輸送力復旧計画」を策定し、この計画実施のためのバスの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画により、モスタル市および周辺町村市民約23万人の交通手段が改善され、市民の社会・経済活動が活発化することなどが期待される。なお、これまでわが国はボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ市やバニャ・ルカ市でも、公共輸送力復旧に対する無償資金協力を実施してきており、先方政府や市民からも高い評価を受けてきている。
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