
ブータンの「橋梁架け替え計画」に対する無償資金協力について
平成13年5月8日
- わが国政府は、ブータン王国政府に対し、「橋梁架け替え計画」の実施に資することを目的として、総額17億1,300万円(平成13年度:5億3,400万円、平成14年度:7億5,800万円、平成15年度:4億2,100万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月8日(火)、ニューデリーにおいて、わが方平林博在ブータン大使(インドにて兼轄)と先方ダゴ・ツェリン駐日ブータン大使(インドにて兼轄)(H. E. Lyonpo Dago Tshering, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the Kingdom of Bhutan to Japan)との間で行われた。
- ブータンは、山岳内陸国であるため道路交通網が唯一の移動・輸送手段である。ブータンの主要道路および橋梁の整備は、これまで全国の県庁所在地等の主要都市を結ぶ幹線道路網を重点に行われてきた。しかしながら、耐用年数の過ぎた橋梁の中には、損傷や老朽化が著しく、近年の農業を中心とする地域経済の拡大による交通量や積載量の増加により、橋桁の変形による橋のたわみが多くみうけられる。
ブータン政府は、第8次5カ年計画における道路交通整備計画の中で、住民の基本的生活の確保、全国規模での経済発展および均衡のとれた地方の開発を目的に、幹線道路の改修整備と地方アクセス道路網の充実、老朽化の進んだ橋梁の架け替えを実施することを謳っている。しかし、ブータン政府はこれまで独自で架け替えの実施につき検討してきたものの、予算確保が困難な状況にあり、また、技術的にも自国限りでの対応が困難な状況である。
こうした状況のもと、ブータン政府は「橋梁架け替え計画」を策定し、この計画実施のために必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画は、現在国道上の障害となっている5つの老朽橋梁を安全かつ確実な橋梁に架け替えるものである。これらの架け替えにより、公共交通および郵便サービスの安全確実性の向上並びに公共施設(特に教育・医療施設)等への安全かつ確実なアクセスが保障され、沿線地域住民約10万人の生活が改善され、ブータンの経済社会開発に大きく貢献することが期待される。