
チュニジアの「カルタゴ・ローマ遺跡群調査・発掘機材整備計画」に対する文化遺産無償について
平成13年5月2日
- わが国政府は、チュニジア共和国政府に対し、「カルタゴ・ローマ遺跡群調査・発掘機材整備計画」(the Project for Improvement of Equipment for Research and Excavation of Historical Sites of the Carthaginian and the Roman Eras)の実施に資することを目的として、1億5,550万円を限度とする額の文化遺産無償を行うこととし、このための書簡の交換が5月1日(日本時間2日)、チュニスにおいて、わが方甲斐紀武在チュニジア大使と先方ハビブ・ベン・ヤヒヤ外務大臣(Mr. Habib Ben Yahia, Minister of Foreign Affairs ofthe Republic of Tunisia)との間で行われた。
- チュニジアは、世界遺産であるカルタゴ遺跡やドゥガ遺跡をはじめ、数多くの文化遺産を有している。チュニジア国立遺跡研究所は、同国にある全ての文化遺産の保存・修復・調査・発掘に関する様々な活動を行う機関であり、カルタゴ遺跡およびドゥガ遺跡に加え、ザマ遺跡、スベイトラ遺跡ならびにウドゥナ遺跡の調査・発掘を重点的に行い、更に全国規模での遺跡調査を推進する計画を有している。しかし、同研究所が有する調査・発掘機材は不十分であり、調査、発掘および修復作業に支障をきたしている状況である。このような状況のもと、チュニジア政府は、同研究所がこれらの遺跡を中心とした全国の遺跡調査に必要な機材を整備するために必要な資金につき、わが国政府に対して文化遺産無償を要請してきたものである。
- 文化遺産無償は、人類共通の財産である文化遺産の保存・活用のために開発途上国が行っている活動を支援するため、平成12年度より導入されたものである。