国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

パレスチナに対する支援について

平成13年4月24日

  1. わが国政府は、昨年9月以来継続しているイスラエル治安当局との衝突によって、パレスチナ人が非常に厳しい経済状況におかれていることに鑑み、人道的見地および中東和平プロセス支援の観点から、国連開発計画(UNDP)を通ずる「緊急雇用創出支援」として2億9,960万円、またパレスチナ暫定自治政府に対する「食糧援助」として2億4,000万円、および「食糧増産援助」として3億5,000万円の、合計8億8,960万円(約830万ドル)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このうち「食糧援助」および「食糧増産援助」については、そのための書簡の交換が、4月24日(火)ラマッラ-において、わが方茂田宏在イスラエル大使と先方マーヘル・アル・マスリ・パレスチナ暫定自治政府経済貿易庁長官(Mr. Maher El Masri, Minister of Economy and Trade)との間で行われた。

  2. この結果、昨年9月のイスラエル治安当局とパレスチナ人との衝突発生以来わが国が行った対パレスチナ支援は約2,100万ドル、また93年以降わが国が行った対パレスチナ支援の総額は約5億9,700万ドルとなる。わが国は今後とも中東和平プロセス支援のための対パレスチナ支援を積極的に行っていく方針である。

  3. わが国は、これらの支援がパレスチナ人の厳しい経済状況の緩和に役立つことを希望すると共に、イスラエルおよびパレスチナの両当事者に対し、これまで累次呼びかけている通り、最大限の自制を行い、暴力の停止および交渉の再開を目的とした協力を再開することを改めて呼びかける。

  4. なお、イスラエル当局は今次衝突への対応として、経済封鎖等の措置をとることがあるが、これらの援助の実施には特に支障はない。

【参考】各支援の概要

  1. 緊急雇用創出支援

     今次衝突を原因とする西岸・ガザ地区における経済活動の停滞、またイスラエルによる西岸・ガザ地区に対する経済封鎖措置の実施等により、パレスチナ人の間で失業率が急増(国連の調査によれば衝突以前の11%から3月末現在で38%に急増)している。これらのことを踏まえ、西岸・ガザ地区において、公共施設や農地の修復等の労働集約プロジェクト、教育・保健・行政分野での雇用創出プロジェクト等への拠出を行う。

  2. 食糧援助

     パレスチナは、主要穀物の大半を輸入に依存しているが、今次衝突により、食糧供給の確保がより困難になってきていると共に、パレスチナ人の貧困率が3月末時点で35%に昇っている。更に、パレスチナ暫定自治政府の財政も非常に厳しい状況におかれている。
     こうした状況の下、同暫定自治政府は、主要穀物である小麦の購入に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。

  3. 食糧増産援助

     パレスチナは、人口増加率が5%を越えているため、この人口を支える食糧の確保と外貨節約の観点から、主要食糧の自給率の向上がパレスチナ暫定自治政府の農業政策の最重点政策となっている。具体的には農地の拡大、肥料利用および機械化推進による農業生産性の向上を目標としている。
     この目標を達成するため、同暫定自治政府は、肥料、農業機械(トラクター)等の購入のための資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。 

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