
エクアドルの「エル・オロ州地方道路整備用機材強化計画」ほか1件に対する無償資金協力について
平成13年4月6日
- わが国政府は、エクアドル共和国政府に対し、「エル・オロ州地方道路整備用機材強化計画」(El Proyecto de Reforzamiento de los Equipos para el Mejoramiento Vial en la Provincia de El Oro)」の実施に資することを目的として、また「食糧増産援助」として、合計12億8,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が4月5日(日本時間6日)、キトにおいて、わが方戸田勝規在エクアドル大使と先方ヘインス・メレル・フレイレ外務大臣(Heinz Moeller Freile, Ministro de Relaciones Exteriores)との間で行われた。
(1)「エル・オロ州地方道路整備用機材強化計画」供与限度額 7億5,000万円
(2)「食糧増産援助」供与限度額 5億3,000万円
- 「エル・オロ州地方道路整備用機材強化計画」
エクアドルのエル・オロ州は、同国内でも有数の農業地帯であり、同州の地方道路の整備を行うことは農作物の安定的供給を確実にする上で重要な意義を有している。しかしながら、エル・オロ州は、ペルーとの国境に隣接しているため、19世紀から続いていた国境紛争の影響で開発が遅れており、地方道路の整備が十分に行われていない。特に雨季には、泥濘化と道路寸断により通行不能となり、農作物の輸送に支障を来し、農村は大きな経済的損失を被っている。また、地域住民が病院への通院、学校への通学等ができない等、同州の市民生活にも支障が出ている。このため同州では、地方道路の整備を行うことが急務となっている。
こうした状況を踏まえ、エクアドル政府は「エル・オロ州地方道路整備用機材強化計画」を策定し、この計画のための道路整備用機材などの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この協力の実施により、エル・オロ州の地方道路が整備されるとともに、農作 物の輸送体制が強化され、同州における農業開発が促進されることが期待される。
- 食糧増産援助
エクアドルでは、国内総生産に占める農業の割合が約2割であり、就業人口の 約3分の1が農業に従事している。このうち、主要食糧(トウモロコシ、ジャガ イモ、小麦、フリホール等)の生産に従事しているのは中小農民であり、その生産性は低く、国内消費を満たす状況には至っていない。
こうした状況を踏まえ、エクアドル政府は、主要食糧の生産性向上および増産を図るために「食糧増産計画」を策定し、この計画の実施のための肥料の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この協力の実施により、エクアドルにおいて主要食糧の増産が図られるとともに、中小農民の生活水準が向上することが期待される。