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ルーマニアに対する円借款の供与について

平成13年3月30日

  1. わが国政府は、ルーマニア政府に対し、「ブカレスト・コンスタンツァ間鉄道近代化計画」(the Railway Rehabilitation Project of Bucharest-ConstantzaLine)のための256億3,500万円を限度とする円借款を供与することとし、このための書簡の交換が3月30日(金)、ブカレストにおいて、わが方三橋秀方在ルーマニア大使と先方クリスティアン・コルツェアーヌ外務次官との間で行われた。

  2. 案件の概要

    「ブカレスト・コンスタンツァ間鉄道近代化計画」

     老朽化が進むブカレスト・コンスタンツァ間の既存路線軌道および関連設備の高規格化を行い、安全性を確保するとともに、貨物を中心に輸送能力の拡大および輸送効率の改善・大量交通輸送の実現を図るもの。全区間225kmのうち、わが国が対象とする区間はブカレスト・バネッサ間(7km)とフェテシュティ・コンスタンツァ間(79km)であり、残りの区間(バネッサ・フェテシュティ)についてはEU(欧州連合)による支援(グラント)が決定している。

  3. 供与条件は次の通り。

    (1)金  利:年2.2%(コンサルタント部分については0.75%)
    (2)償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
    (コンサルタント部分については40年(10年の据置期間を含む))
    (3)調達条件:一般アンタイド

  4. 本件円借款の意義

    (1)ルーマニアはわが国と伝統的友好関係にあり、政治、外交および経済面での関係が進展している。また、わが国の国連安保理常任理事国入りを明確に支持しており、わが国からの経済援助、投資について大きな期待を有している。

    (2)旧ユーゴと旧ソ連の間に位置し、中・東欧諸国の中ではポーランドに次ぐ第2位の国土と人口を持つルーマニアは、1999年12月EU加盟候補国となり、南東欧地域の安定勢力として重要性を増している。同国が民主化と経済改革に成功して安定的な発展を遂げることは南東欧地域、ひいては欧州の安定にも重要である。

    (3)欧州第4回廊に位置づけられている本鉄道の高規格化は、EUとの協調案件であり、南東欧地域の安定化を目指しつつ関係国、機関によって創設された「南東欧安定協定」の枠組みでの支援を期待して、ルーマニア側が重視しているプロジェクトであり、また1997年にわが国が供与を決定し既に実施段階に入っている「コンスタンツァ南港整備計画」における同港の貨物取扱量の増大と合わせて輸送の効率化に資する。

  5. 今回の円借款の供与により、これまでにわが国がルーマニアに対して供与した円借款の総額は、476億2,400万円となる。
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