平成13年3月30日
- わが国政府は、ネパール王国政府に対し、同国の社会インフラ建設を支援するため、総額54億9,400万円までの円借款を供与することとし、このための書簡の交換が、3月30日(金)、カトマンズにおいて、わが方小嶋光昭在ネパール大使と先方ビマル・プラサド・コイララ大蔵省事務次官との間で行われた。
- 対象案件および円借款供与限度額
- 借款条件
(イ) |
利子率 |
本体部分:1.0%(通常環境金利) |
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コンサルタント部分:0.75%(特別環境金利)
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(ロ) |
償還期間 |
本体部分:30年(10年の据置期間を含む) |
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コンサルタント部分:40年(10年の据置期間を含む)
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(ハ) |
調達条件 |
一般アンタイド |
- 今回の供与により、ネパールに対する円借款供与総額は、638億8,900万円となる。
円借款対象案件の概要
ネパールの首都であるカトマンズの水事情は非常に劣悪であり、慢性的な断水および不衛生な水の摂取による高疾病率が問題となっている。
カトマンズ盆地では1日に13万‰の水需要に対し、雨季で1日12万‰、乾季で1日8万‰しか給水されない上、今後、推定される年率4~4.35%の人口増加により、更に水需要が増せば、水不足は益々深刻となることが予想される。加えて、40%に上る高い漏水率が更に水事情を悪化させており、給水設備の修繕・維持管理の問題として給水事業の事業主体についても課題となっている。
このため、ネパール政府は、カトマンズ盆地内の給水事業について、民間企業への経営委託により業務を効率化し、配水網のリハビリにより漏水率を引き下げるとともに、長期的水需要に対応するために盆地外に水源を求めることとしたものである。
この計画は、世銀等との協調融資案件であり、メラムチ川からの取水により26kmの導水管を通し、1日17万‰の水を確保すると同時に、マハンカル・メラムチ浄水場を建設し、カトマンズに清浄で豊富な上水を供給するものである。円借款の対象案件としては、浄水場建設およびアクセス道路の建設を実施する。