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インドネシアに対する円借款の供与について
~インドネシアの経済社会開発および改革努力支援のため~

平成13年3月30日

  1. わが国政府は、インドネシア共和国政府に対し、同国の経済社会開発努力を支援するため、総額991億6,500万円までの円借款を供与することとし、このための書簡の交換が3月30日(金)、ジャカルタにおいて、わが方竹内行夫在インドネシア大使と先方マカリム・ウィビソノ外務省対外経済関係総局長との間で行われた。

  2. 今回のインドネシアに対する円借款は、アジア経済危機後の同国の新たな開発課題に対応すべく、貧困削減、地域間格差是正、業務効率の改善・透明性の向上、雇用創出を図る経済対策等、優先度の高い分野として位置づけられるものを対象としている。

    【通常の円借款5案件:(合計額)581億3,100万円】
    (A) バタンハリ灌漑事業(II) 76億3,900万円
    (B) 水資源開発セクターローン(II) 186億7,600万円
    (C) 地方インフラ整備事業(III) 200億3,900万円
    (D) 税関業務改善(人材育成・IT(情報通信技術)関連)事業 41億800万円
    (E) 海事訓練学校整備事業 76億6,900万円
    【特別円借款1案件】
    (F) ジャワ幹線鉄道電化・複々線化事業(I) 410億3,400万円
    (計) 991億6,500万円

  3. 借款条件

    (1)利子率:年1.8%

     ただし、(E)の本体部分およびコンサルタント部分については人材育成支援特別金利(年0.75%)、(F)の本体部分およびコンサルタント部分については特別円借款金利(年0.95%)を適用。
     また、(A)、(B)、(C)のコンサルタント部分については、環境配慮が必要とされる案件として特別環境案件と同じ金利(年0.75%)を適用。

    (2)償還期間:30年(10年の据置期間を含む)

     ただし、年0.75%の特別金利適用部分および特別円借款金利適用部分については40年(10年の据置期間を含む)。

    (3)調達条件:一般アンタイド

     ただし、(E)の本体部分、および、(A)、(B)、(C)、(E)、(F)のコンサルタント部分は二国間タイド。また、特別円借款((F))の本体部分は日本タイド。

  4. なお、今回の書簡の交換により、わが国のインドネシアに対する円借款の総額は、3兆6,033億7,400万円(交換公文ベース)となる。


(参考)

2000年度対インドネシア円借款の各案件の概要

1.年次円借款5案件【供与限度額合計:581億3,100万円】

(1)バタンハリ灌漑事業(II) (供与限度額:76億3,900万円)
 スマトラ島の西スマトラ州・ジャンビ州において、地域農民の所得向上に寄与すべく米等の増産を図るため、現在実施中の第I期事業に引き続き、同事業の第II期事業として、新規の開田、幹線・二次・末端水路等建設および排水路建設を実施するもの。
(2)水資源開発セクターローン(II) (供与限度額:186億7,600万円)
 西部インドネシア(スマトラ島)、中部インドネシア(ジャワ島、カリマンタン島)において、米を中心とした食糧の増産を目的として、中規模程度の灌漑設備等の建設・整備のサブプロジェクトを実施するもの。
(3)地方インフラ整備事業(III) (供与限度額:200億3,900万円)
 地域経済の自立的発展、地域社会の能力向上ならびに貧困層の削減を図るため、貧困層の多い地域を対象に基礎インフラの整備を行うもの。
(4)税関業務改善(人材育成・IT関連)事業 (供与限度額:41億800万円)
 現在の膨大な貿易量に対応して迅速且つ適切な処理を行うことが困難な状況になってきている中、税関業務の近代化・透明性の改善のため人材育成を行い、IT関連業務改善に必要な新システムを導入するもの。
(5)海事訓練学校整備事業 (供与限度額:76億6,900円)
 既存の国立船員教育学校6校において、教育・訓練内容、教員の質、訓練機材を向上させることにより、STCW 95(船員の訓練および資格証明並びに当直の基準に関する国際条約)に対応したインドネシア船員教育の拡充を図るもの。

2.特別円借款1案件

(1)ジャワ幹線鉄道電化・複々線化事業(I) (供与限度額:410億3,400万円)
 増大する首都ジャカルタの交通需要に対応するため、マンガライ駅からブカシ駅までを複々線化し、輸送力増強および運行の効率化を図り、あわせて通勤圏の拡大に対応するためブカシからチカランまで電化するもの。