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モンゴルに対する円借款の供与について
-エネルギーの安定供給と大気汚染防止に役立つ支援を実施-

平成13年2月15日

  1. わが国政府は、モンゴル国政府に対し、同国のエネルギーの安定供給および大気汚染防止に資するため「ウランバートル第4火力発電所改修計画(II)」について、61億3,900万円の円借款を供与することとし、このための書簡の交換が2月15日(木)、東京(飯倉公館)において、わが方河野洋平外務大臣と先方ビャンビン・ジグジド・インフラ大臣(Byambyn JIGJID, Minister of Infrastructure)との間で行われた。

  2. 案件概要

    (1)ウランバートル第4火力発電所は、ウランバートル市の電力の約70%および温熱水の約60%を供給しているモンゴル最大の火力発電所(最大供給設計能力360MW)である。しかし、同設備は旧ソ連の設計、製作による旧式システム(間接燃焼方式:粉砕した石炭を一時的に貯蔵施設に保存し、そこから必要となる燃料をその都度ボイラーに注入する方式。微粉炭系統において摩擦による危機トラブルが発生しやすく、貯蔵方式も爆発の危険性が高く、電力供給の不安定要因となっている。また、低燃焼効率から大気汚染物質排出が多い。)であることから、燃焼効率が低く、環境への負荷が高いことに加え、事故が多発し、停電や暖房用温熱水の温度低下が頻繁に発生し、特に需要が最大になる冬期(最低気温-40℃)には、市民生活と工業生産に深刻な影響を及ぼしている。

    (2)これらの問題に対し、95年度に第1期分として、ボイラー8缶中4缶の自動制御システムの改修および直接燃焼方式(先進諸国で一般的な方式。石炭を粉砕して即ボイラーに注入して燃焼させる方式。)への転換を主目的とする改修のための円借款を供与しており、今次借款においては残り4缶のボイラーについて、同様の改修を行うことを目的としている。この改修により、同発電所の稼働率および燃焼効率の向上、環境への負荷の軽減、ウランバートル市を中心とする中央エネルギーシステムの安定的な熱電供給等が見込まれるとともに、二酸化炭素、SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)、煤塵の排出抑制による大気汚染防止効果も期待される。

  3. 借款条件

    (1)金利  年0.75% (特別環境金利)
    (2)償還期間  40年 (10年の据置期間を含む)
    (3)調達条件  一般アンタイド (うちコンサルタント部分は二国間タイド)

  4. 今回の円借款の供与により、わが国のモンゴルに対する円借款の総額は、361億2,610万円となる。
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