
ケニアの「西部地域保健センター整備計画」に対する無償資金協力について
-地域医療体制の整備のための支援-
平成13年3月29日
- わが国政府は、ケニア共和国政府に対し、「西部地域保健センター整備計画」(the project for Improvement of Health Centers in the Western Part of Kenya)の実施に資することを目的として、1億3,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月29日(木)、ナイロビにおいて、わが方青木盛久在ケニア大使と先方オケモ大蔵大臣(Chrisanthus Okemo, Minister for Finance)との間で行われた。
- ケニアの乳児死亡率は開発途上国の平均を上回っており、特にニャンザ州では開発途上国平均の約2倍と劣悪な状況にある。この地域の疾病内容は、マラリア、エイズ、結核、急性呼吸器疾患などが死亡原因の40~65%、病院入院患者の50~65%を占めており、また幼児については、肺炎・呼吸器感染症、麻疹、下痢症、栄養障害が上位を占めている。特に幼児の疾病は、家庭での適切な処置、早期の診断・治療、予防接種の実施等によって減らすことが可能であり、地域医療体制の整備が望まれている。
わが国はケニア政府の要請を受けて、平成9,10年度にリフトバレー州およびニャンザ州内の5県に対して開発調査「地域保健医療システム強化計画調査」を実施した。その結果、調査地域に含まれる保健センターは、地域の医療体制の中で重要な役割を担っているものの、十分な医療機材が配置されておらず、また、仮に配置されていたとしても老朽化している場合が多いことが判明した。そのため、保健センターに対する住民の信頼は低く、適切な地域医療体制の構築の妨げになっている。
このような状況のもと、ケニア政府は地域医療体制の向上に資するため、優先度の高い16カ所の保健センターを整備することを目的として「西部地域保健センター整備計画」を策定し、この計画の実施のための機材の購入および施設の建設に必要な資金について、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、本件協力によって対象医療施設の年間外来・入院患者数である約4万4,500人に対して、より質の高い医療サービスが提供可能になる。