
コンゴ民主共和国の「ポリオ撲滅計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成13年3月21日
- わが国政府は、コンゴ民主共和国における「ポリオ撲滅計画」(the project for the Eradication of Poliomyelitis)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、2億7,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月21日(水)、キンシャサにおいて、わが方福島清介在コンゴ民主共和国大使と先方マーチン・モガンジャ・ユニセフ・コンゴ民主共和国代表(Mr. Martin Mogwanja, UNICEF Representative to the Democratic Republic of the Congo)との間で行われた。
- コンゴ民主共和国では、内戦が続いているものの、ユニセフが中心となり世界保健機構(WHO)等国際機関、諸援助国、NGO(非政府組織)等の支援を受けて、1998年からポリオ・ワクチン全国一斉投与(NID:National Immunization Days)を実施してきており、特に1999年および2000年のNIDでは、コフィ・アナン国連事務総
長の調停の下、「静謐の日」(Day of Tranquility)による停戦が実現し、非常に高い接種率を記録している。
しかしながら、同国はポリオの野生株が存在する国の一つとして、ポリオを撲滅しつつある近隣のアフリカ諸国にとって重大な脅威となっていることから、引き続きNIDの実施が必要とされている。そのため、コンゴ民主共和国政府およびユニセフは、2001年においても5歳未満児約1,200万人を対象としてNIDの実施を予定しているが、NIDの実施においては、コンゴ民主共和国政府が負担できる部分は財政事情等により極めて限られている上、内戦が継続していることから同国政府のみでは実施が不可能な状況であり、諸援助国の援助・協力に頼らざるを得ない状況となっている。
このような背景の下、コンゴ民主共和国政府およびユニセフは2001年のNID実施のための「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画のためのポリオ・ワクチンの調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- なお、わが国は昨年7月の九州・沖縄サミットにおいて、森喜郎総理大臣より「沖縄感染症イニシアティブ」を発表し、HIV/AIDSおよび結核、マラリア、寄生虫、ポリオ等の感染症対策等にODA(政府開発援助)を通じて今後5年間に総額30億ドルを目途に協力を行う旨表明している。本計画はわが国のイニシアティブの一環として行われるものである。