
キルギスに対する無償資金協力(食糧増産援助)について
平成13年3月13日
- わが国政府は、キルギス共和国政府に対し、3億3,000万円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が3月13日(火)、ビシュケクにおいて、わが方田中謙次在キルギス大使と先方テミルベク・アクマタリエフ財務大臣(Temirbek AKMATALIEV, The Minister of Finance of the Kyrgyz Republic)との間で行われた。
- キルギスは、1991年に旧ソ連から独立したが、1998年のロシア経済危機の影響を脱しきれておらず、深刻な経済不振が続いている。もともと産業・資源に乏しい同国は経済基盤が弱く、構造改革が困難を極めている。キルギス経済は牧畜を主とする農業に大きく依存しており、農業生産が国民総生産の45%を占めている。ただし、国土の40%が海抜3,000メートルを超えており、耕作に適する農地は全国土の7%に過ぎない。農業については、旧ソ連時代は羊毛生産が重点的に行われ、穀物生産は重視されてこなかったため、食糧自給が達成されていない。主要作物である小麦については、年間需要の約三分の二を国内生産している状況である。キルギスの国家計画の一つである農業開発計画によると、食糧増産は最重要課題で、新技術の導入、施肥の増加、農業機械の更新等により増産を図ることを目指している。
このような状況の下、キルギス政府は、主要作物である小麦および大麦の増産に使用する農業機械を調達するための資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。