平成13年3月13日
案件名 | 供与限度額 |
(1)「ノンプロジェクト無償資金協力」 | 3億円 |
(2)「食糧増産援助」 | 4億6,000万円 |
(参考)
アルバニアは1991年より市場経済への移行を開始したが、生産設備の老朽化等の原因により鉱工業生産は激減した。1992年4月に成立したベリシャ政権は、世界銀行・国際通貨基金(IMF)の指導のもとで経済の自由化と安定化を目指した経済改革計画を実施し、現地通貨レクの信用回復、インフレ率の低下および外貨準備高の増加等に一定の成果をあげた。しかしながら依然として財政赤字と大幅な輸入超過による貿易赤字を抱え、海外からの援助無しには経済が成り立たない状況であった。加えて1997年に表面化したねずみ講問題と、これを発端とする暴動等の破壊活動により経済活動はほぼ麻痺状態に陥った。その後同国では1998年5月に世界銀行・IMFにより3年間の拡大構造調整融資が承認され、現在も継続中である。
今回のノンプロジェクト無償資金協力は、同国の構造調整計画の実施を支援するもので、アルバニア政府が経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。
アルバニアは共産主義政権の下、徹底した中央集権経済統制が行われ、農業も農地国有政策の下、強力な国家統制によりコントロールされてきた、しかし、長期にわたる閉鎖的な対外政策は同国経済を破綻に導き、その結果1991年には市場経済への移行が政府により決定された。これを受け、農業の民営化、農地の私有化推進を盛り込んだ「経済民営化計画」、「農業中期開発計画」が策定され、農業における市場経済化が漸次進められているが、体制が大きく転換し農業体系の再構築が行われている。こうした中で、個人農家の農業機械化と肥料の投入による農業生産体制を確立することが急務となってきている。1997年には、ねずみ講の破綻を契機とする経済混乱が生じ、また、1999年にはコソボ紛争の影響を受け、現在経済の立て直しが最も重要な課題となっている。そのため、同国政府は食糧生産の拡大を図るための農業機械および肥料の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。