平成13年3月2日
わが国政府は、ラオス人民民主共和国政府に対し、1999年の食糧援助規約に基づき、4億円を限度とする食糧援助(無償資金協力)および1億3,870万5,000円の債務救済のための無償援助(無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月2日(金)、ビエンチャンにおいて、わが方真鍋寛在ラオス臨時代理大使と先方ポンサワット・ブーパ外務副大臣(Mr. Phongsavath Boupha, Vice Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。(参考)
ラオスでは灌漑施設等の整備が著しく遅れており、天水依存型の農業が行われているため、干ばつ等の天候の影響を受けやすく農業生産性は極めて低く、また、農村部の道路の整備が大幅に遅れており、収穫後の円滑な国内輸送の障害となっている。特に近年は集中豪雨による洪水、病害虫の発生もあり食糧増産が大きな打撃を受け、食糧自給率は低く留まっており、食糧を輸入に依存せざるを得ない。しかしながら、アジア通貨危機の影響で外貨不足が深刻であり、輸入による食糧の確保も困難な状況にある。
このため、ラオス政府は、食糧の供給計画を策定し、この計画の実施のための食糧の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この無償資金協力(債務救済のための無償援助)は、ラオス政府が1988年3月31日までにわが国政府と行った円借款取決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、平成12年度第3四半期までに返済期限の到来した元本および約定利息のうちの実際の返済額に相当する額を供与するもので、債務救済措置の一つである。
本件無償資金協力により贈与する資金は、ラオスの経済の発展と国民福祉の向上のために必要な生産物等の購入のために使用される。
1978年3月の国連貿易開発会議(UNCTAD)第9回特別貿易開発理事会(TDB)閣僚会議では、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国がこれらの開発途上国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置を取るよう努力すべき旨の決議が採択された。今回の無償資金協力は、この決議に鑑み、ラオスとわが国の友好協力関係を強化することを目的として、わが国の無償資金協力の一環として実施するものである。