
レソトの「マセル国立教員養成大学整備計画」に対する無償資金協力について
平成13年1月24日
- わが国政府は、レソト王国政府に対し、「マセル国立教員養成大学整備計画」(the project for Infrastructual Support and Educational Equipment Supplyto National Teacher Training College in Maseru)の実施に資することを目的として、5億7,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月24日(水)、プレトリア(南アフリカ)において、わが方畠中篤在レソト大使(南アフリカにて兼轄)と先方マコショロ在南アフリカ共和国・レソト王国高等弁務官代理(Mr. Pitso Makosholo, Acting High Commissioner of the Kingdom of Lesotho to the Republic of South Africa)との間で行われた。
- レソトでは、1970年代から教育改革に関する取り組みが行われてきており、第6次国家開発計画(1996~1999)においても特に初等教育の強化が最重点項目とされている。しかし、教員数の絶対的な不足とその質の低下(小学校有資格教員数:児童数=1:58、教育省教育統計1998年)が報告され、また、留年率と中途退学率も悪化した。さらに、2000年より初等教育の無償化を開始したため、児童数が増加し、従来からの問題である学校施設と教員の不足が深刻化している。
マセル国立教員養成大学(NTTC)は、レソトにおいて小学校の教員を養成している唯一の高等教育機関であり、中学校および技術専門学校教員の養成も担っている。レソト政府は、NTTCの施設の拡充に取り組んできており、設立当初約750人であった学生数を 1999年までに1,350人規模に増員する計画を基本としている。しかしながら、現在のところ、この計画の実施に必要な施設が不足している状況にある。
こうした状況の下、レソト政府は、「マセル国立教員養成大学整備計画」を策定し、この計画のためのマセル国立教員養成大学における施設の建設および教育用資機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
現在NTTCの全教室数は35であるが、本件協力実施により10教室の実験・実習室が建設され、受入養成教員数も、現在の957人から約1,350人へ増加させることが可能となる。また、レソトにおける教員の質的・量的改善に貢献し、初等・中等教育全体の改善につながることが期待される。