
モザンビークの「災害復旧保健支援計画」に対する無償資金協力について
平成13年1月19日
- わが国政府は、モザンビーク共和国政府に対し、「災害復旧保健支援計画」に資することを目的として、4億9,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月19日(金)、マプートにおいて、わが方野瀬芳宏在モザンビーク大使と先方フランセス・ロドリゲス外務協力副大臣(Her Excellency Ms.Frances Rodrigues, Deputy Minister of Foreign Affairs and Cooperation of the Republic of Mozambique)との間で行われた。
- モザンビークでは、乳幼児の主要死因はマラリア、下痢性疾患、呼吸器感染症、麻疹や新生児破傷風など、いわゆるプライマリーヘルスケア(一次医療)の充実により死亡と羅患を低減することが可能な疾患である。同国政府は、毎年約70万人の新生児に対してポリオ、麻疹、BCG等の予防接種を実施しているほか、妊産婦、妊娠可能女性および就学児を対象として破傷風の予防接種を行っている。これらの接種には、対象となる村落が広範に点在していることから車輌等による巡回接種が一般的に取り入れられているが、BCG以外のワクチンについては目標である接種率90%は達成されていない。
また、モザンビークの保健施設(1,049カ所)のうち、冷蔵庫を所有し常時ワクチン接種が可能とされているのは全体の約55%にあたる574カ所であるが、そのうちの25%は老朽化等により冷蔵庫の更新を必要としている。
さらに、昨年1月から3月にかけて襲われたサイクロンによる洪水被災地域では、飲料水不足および汚水流出などによる不衛生な状態が続いており、このため特に抵抗力の弱い乳幼児の間でマラリア、下痢症、感染症等の羅患率が増加傾向にある。
こうした中、モザンビーク政府は、「災害復旧保健支援計画」を策定し、この計画のための全国の保健施設において老朽化した、または洪水により使用不能となったワクチンの保管・輸送体制のための機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、全国的なワクチンの保管・輸送体制が整備され、遠隔地での低摂取率、ワクチンの管理上の問題等が改善されてモザンビークにおける完全接種率90%の達成に寄与することが期待される。
- なお、この計画は、昨年モザンビークで発生した洪水災害に対する支援として、わが国が昨年5月のローマにおける支援国会合で表明した短期的支援3,000万ドルの一環として実施されるものである。