
セーシェルの「沿岸漁業振興計画」に対する無償資金協力について
平成13年1月16日
- わが国政府は、セーシェル共和国政府に対し、「沿岸漁業振興計画(the project for coastal fishery development)」の実施に資することを目的として、5億7,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月16日(火)、ビクトリアにおいて、わが方青木盛久在セーシェル大使と先方エネスタ農業海洋資源大臣(Dolor Ernesta, Minister of Agriculture and Marine Resources)との間で行われた。
- セーシェルにおいて漁業は主産業の一つである。その小規模漁業の漁獲については、大半が国内で消費されており、同国は世界でも有数の水産物消費国である。しかしながら、同国にある動力漁船は未だ大いに不足している状況にあり、また、漁業インフラは未整備なところが多いことから、これらの改善が求められている。さらに、沿岸漁業資源の減少の懸念もあり、沖合漁業への展開が求められており、そのためにも漁船、漁具の近代化が必要となっている。中でも漁港の一つであるアンセロワイヤルにおいては、製氷施設等が存在せず、また漁業者も伝統的な漁船、漁具しか所有しておらず、沖合漁業が行えないなど満足に漁業が行えない状況にある。
このような状況に鑑み、セーシェル政府は、「沿岸漁業振興計画」を策定し、この計画の実施のための製氷施設、漁船、漁具等の機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、約7万人の消費者に品質のよい水産物が安定的に供給されることが期待される。