平成24年9月28日
9月28日(金曜日)(現地時間同日),インドの首都ニューデリーにおいて,我が方林肇在インド臨時代理大使と先方プラボード・サクセナ財務省経済局長(Mr. Prabodh Saxena, Joint Secretary, Department of Economic Affairs, Ministry of Finance)との間で総額1,326億4,500万円を限度とする額の円借款4件に関する書簡の交換が行われました。
対象案件の概要
(1)インド工科大学ハイデラバード校整備計画(53億3,200万円)
インド南部アンドラ・プラデシュ州ハイデラバード市郊外にあるインド工科大学ハイデラバード校(IITH)への協力は,日印首脳間で合意された協力案件の一つであり,産学官による協力体制が構築されています。本計画は,我が国が現在実施中である共同研究,専門家の派遣,キャンパス設計などの技術協力を通じた支援と連携し,同校の施設整備(国際交流会館及び学生会館の建設)を行うものです。本計画を通じて教育・研究環境の整備及び人材の育成を図ることにより,インドの産業振興に寄与するとともに人的・学術的交流を通じた日印関係の強化に貢献することが期待されます。
(2)タミル・ナド州送電網整備計画(607億4,000万円)
近年日本企業の進出が著しいインド南部タミル・ナド州では,電力インフラの整備不足のために停電が頻発し,電力供給が不安定な状況であり,電力インフラに対する改善要望が強まっています。本計画は,チェンナイ市周辺をはじめとする州内全域において,送電線の新設及び変電所の建設など送変電設備の整備を行うものです。これにより,電力の安定供給を通じた生活環境の改善,進出日本企業のビジネス環境の改善・投資促進,同州の経済成長に貢献することが期待されます。また,送電ロス率低減によるエネルギー利用の効率化が図られ,温室効果ガスの排出抑制にも寄与します。
(3)ラジャスタン州地方給水・フッ素症対策計画(375億9,800万円)
インド北西部ラジャスタン州ナゴール県では,慢性的な水不足によ
り,フッ素汚染が著しい地下水を利用せざるを得ず,フッ素症疾病が多数発生しています。本計画は,フッ素に汚染されていない表流水による上水道施設の新設及びフッ素症対策を同地域において行うものです。これにより,安全かつ安定的な水の供給が図られ,地域住民の健康状態と生活環境の改善に貢献することが期待されます。
(4)デリー上水道改善計画(289億7,500万円)
インド北部デリー準州では,上水道設備の高い漏水率などにより,首都でありながら1日平均6時間の制限給水が行われ,給水量も不均等となっています。本計画は,既存の上水道施設を改築・更新し,漏水率を抜本的に改善するとともに,上水道施設データに係る地理情報システムの改善などによる維持管理体制の強化を図るものです。これにより,24時間安定的に水の供給を行うことが可能となり,地域住民の生活環境の改善に貢献することが期待されます。
供与条件
(1)2.(1),(3)及び(4)について
(ア)金利:年1.40%(コンサルティングサービス部分は年0.01%)
(イ)償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
(ウ)調達条件:一般アンタイド
(2)2.(2)について
(ア)金利:年0.55%(優先条件「省エネ・省資源」)(コンサルティングサービス部分は年0.01%)
(イ)償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
(ウ)調達条件:一般アンタイド
これらの案件のうち(2)については,2009年12月に表明した,気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援(短期支援)の一環でもあります。我が国としては,COP17で得られた成果を踏まえ,すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,引き続き気候変動分野で協力していきます。
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