平成24年9月10日
- 本10日(月曜日)(現地時間同日),コソボ共和国の首都プリシュティナにおいて,同国を訪問中の浜田和幸外務大臣政務官とエンベル・ホジャイ・コソボ外務大臣(Dr. Enver Hoxhaj, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Kosovo)との間で, 5,760万円を限度とする一般文化無償資金協力「コソボフィルハーモニー交響楽団楽器整備計画(The Project for the Improvement of Musical Instruments of the Kosovo Philharmonic Orchestra)」に関する交換公文の署名が行われました。
- コソボ唯一の国営楽団として市民が広く音楽に親しむ機会等を提供してきたコソボフィルハーモニー交響楽団は,1990年代に勃発したコソボ紛争により活動停止を余儀なくされました。2000年に国連の支援を受けて活動を再開しましたが,楽器のほとんどが破損または不足しており,単独では演奏会が開催できないため,隣国の交響楽団の支援に頼らなければならない状況にあります。
- この協力は,コソボフィルハーモニー交響楽団が自力で活動を行っていく上で必要な楽器を購入するための資金を供与するものです。この協力は,紛争終結から10年余を経て発展段階にあるコソボにおいて,音楽を通して市民に希望・意欲・向上心を与えるとともに,同楽団が国内の音楽分野の人材育成に参画している点から,教育面でも貢献するものです。更に,同楽団の奏者はバルカン地域の多民族共演に参加しており,音楽を通した民族融和活動への寄与も期待されます。
また,同楽団の主任指揮者は日本人が務めていることから,本協力は目に見える協力として,親日感情の醸成や,日本との交流関係の進展が期待されます。
(参考)
コソボ共和国は,面積約1万1千平方キロメートル,人口182万人(2010年,世銀),人口1人当たりのGNI(国民総所得)3,300米ドル(2010年,世銀)。