平成24年4月17日
- 4月17日(火曜日)(現地時間同日),モルドバ共和国の首都キシニョフにおいて,我が方坂田東一駐モルドバ大使(ウクライナにて兼轄)と先方ヴァシリー・ブマコフ農業食品産業大臣(Mr. Vasile BUMACOV, Minister of Agriculture and Food Industry of the Republic of Moldova)との間で,1億3,000万円の無償資金協力「貧困農民支援」に関する書簡の交換が行われました。
- 本件協力は,貧困状況に置かれたモルドバ農民に対する支援を目的として,主要作物である小麦及びトウモロコシの増産のために必要な農業機械(トラクター)を整備するために必要な資金を供与するものです。
- モルドバは,チェルノーゼムと呼ばれる肥沃な土壌に恵まれ,旧ソ連邦においては重要な農業生産拠点でした。しかし,1991年の独立以後,市場経済化に伴う経済危機の影響を受け,農業生産に必要な資機材の投入が途絶えたため,農業が低迷しました。その後の農地の私有化促進により,現在では土地をリースまたは購入するなどして,農地を所有する中・小規模農家が各地に誕生しています。しかし,これらの農家はいずれも低所得であり,また,農業機械を購入するためのクレジット制度も未整備であるため,農家が自ら農業機械の調達や最新技術の導入を行うことは困難な状況にあります。
- 本件協力により,同国における食糧生産性が向上し,これを通じて同国の農業の復興と貧困削減に貢献することが期待されます。
(参考)
モルドバ共和国は, 面積3万3,840平方キロメートル, 人口356万人(2010年,世銀), 人口一人当たりのGNI(国民総所得)は1,810米ドル(2010年,世銀)。