平成24年3月28日
本28日(水曜日)(現地時間同日),スリランカ民主社会主義共和国のコロンボにおいて,我が方粗信仁駐スリランカ大使と先方プンチ・バンダーラ・ジャヤスンドラ財務・計画省次官(Dr. Punchi Bandara Jayasundera, Secretary, Ministry of Finance and Planning)との間で,総額424億7,700万円を限度とする下記3件の円借款に関する書簡の交換が行われました。
対象案件の概要,背景,期待される効果は以下のとおりです。
(1)バンダラナイケ国際空港改善計画(フェーズ2)(289億6,900万円)
スリランカでは2009年の紛争終結後,経済成長を背景に航空旅客数が増加しています。この協力は,現在スリランカ唯一の国際空港となっているバンダラナイケ国際空港において,国際旅客数の増加に対応するため,旅客ターミナルビル及び駐機場の増設,ターミナルへの高架アクセス道路の整備等を行うものです。これにより,この空港を利用する旅客数が年間600万人から約900万人に増加することが期待されます。
(2)地方基礎社会サービス改善計画(39億3,500万円)
スリランカでは,癌や心臓病等の非感染症が増加しており,その対策が求められています。この協力は,こうした課題に対応するため,地域医療の核となる中規模医療施設の改修・機材整備及び国立の医薬品製造センター(SPMC:State Pharmaceutical Manufacturing Corporation)の機材整備等を行うものです。これにより,対象地域の約80万人の成人が非感染症の際に適切な治療を受けられるようになり,また国立の医薬品製造センターの医薬品製造能力が向上することが期待されます。
(3)ハバラナ・ヴェヤンゴダ送電線建設計画(95億7,300万円)
スリランカ政府は,内戦後の経済成長を背景に増加する電力需要への対応の一環として,送電ロスの軽減を重視しています。この協力は,スリランカ北中部州ハバラナから首都近郊ヴェヤンゴダへの電力供給の重要拠点間に,電力ロス率の低い送電線を敷設するとともに,変電所2か所を建設・増強するものです。これにより,ハバラナ・ヴェヤンゴダ間約150キロメートルの間の送電ロス率が従来より約2割削減され,スリランカの省エネルギーに貢献することが期待されます。
供与条件
(1)2.(1)について
(ア)金利:0.20%(本邦技術活用条件(STEP)を適用)
(コンサルティングサービス部分は年0.01%)
(イ)償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(ウ)調達条件:日本タイド
(2)2.(2)について
(ア)金利:0.20%(本邦技術活用条件(STEP)を適用)
(コンサルティングサービス部分は年0.01%)
(イ)償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(ウ)調達条件:日本タイド/二国間タイド
(3)2.(3)について
(ア)金利:0.30%(優先条件「気候変動対策」を適用)
(コンサルティングサービス部分は年0.01%)
(イ)償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(ウ)調達条件:一般アンタイド
なお,上記2.(3)の案件は,2009年12月に表明した,気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援(短期支援)の一環です。我が国としては,COP17で得られた成果を踏まえ,すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,スリランカと引き続き気候変動分野で連携していきます。
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