国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

バングラデシュに対する円借款「母子保健改善計画(保健・人口・栄養セクター開発プログラム(フェーズ1))」に関する書簡の交換について

平成24年1月25日

  1. 本25日(水曜日)(現地時間同日),バングラデシュの首都ダッカにおいて,我が方佐渡島志郎駐バングラデシュ大使と先方イクバル・マームード財務省経済関係局次官(Mr. Mr.Iqbal Mahmood, Senior Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance, Government of Bangladesh)との間で,合計50億4,000万円を限度とする円借款「母子保健改善計画(保健・人口・栄養セクター開発プログラム(フェーズ1))」の供与に関する書簡の交換が行われました。

  2. この計画は,バングラデシュの全土において母子保健の状況を改善することを目的として,自治体や医療機関の関係者への研修や,病院・診療所等の施設・機材の整備などに必要な資金を円借款により供与するものです。
     これまで我が国は,同国ノルシンディ県において,母子保健の基礎知識に関する住民の啓発や,住民の要望と医療機関の間の調整を地方自治体が主体的に行う体制づくりなど包括的な技術協力を実施し,「ノルシンディ・モデル」として高い評価を得ています。バングラデシュ政府は,今後この「ノルシンディ・モデル」の取組みを全国的に展開することとしており,今回の円借款はその取組みを支援するものです。

  3. 従来,バングラデシュでは地方行政が母子保健に直接的に関与することがなかったため,必要な支援が地域住民に届きにくい状況でしたが,この計画の実施により,地方自治体や住民を含む総合的な母子保健の支援体制が全国的に構築され,乳幼児死亡率の低下や安全な出産の推進による妊産婦の健康の改善など母子を取り巻く環境が大幅に改善されることが期待されます。
     また,この計画は我が国の技術協力の成果を途上国が自ら全国展開を図るに当たりこれを円借款により支援するものであり,その点においても有意義な協力であるといえます。

  • 写真
    妊婦さんの家族に出産準備について
    指導するフィールドワーカー
  • 写真
    JICAによる運営指導
  1. 供与条件
    (1)金  利:年0.01%
    (2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
    (3)調達条件:一般アンタイド

(参考)
  1. バングラデシュは,面積約14万4千平方キロメートル,人口約1億4,231万人(2011年,バングラデシュ統計局)であり,人口1人当たりのGNI(国民総所得)は684米ドル(2010年暫定値,バングラデシュ中央銀行)。
  2. 「ノルシンディ・モデル」
     我が国は2006年から技術協力(「母性保護サービス強化プロジェクト」)を実施し,1)出産,緊急時に備えた住民レベルの啓発活動,2)帝王切開などの緊急処置体制の強化,3)住民の要望と医療施設のサービスを地方自治体が調整する体制の構築を統合的に支援しています。この結果,安全な出産に関する知識が普及し,地域社会における妊産婦の支援体制が構築され,貧困層の妊産婦も適切な保健サービスを利用するようになるなど成果が見られました。このため,我が国の技術協力はバングラデシュ政府より「ノルシンディ・モデル」と称されて,高い評価を得ています。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る