平成23年12月27日
本27日(火)(現地時間同日),マレーシアのプトラジャヤにおいて,我が方中村滋駐マレーシア大使と先方ラジ外務次官(Y. Bhg. Tan Sri Mohd. Radzi Abdul Rahman,Secretary General of the Ministry of Foreign Affairs)との間で,66億9,700万円を限度とする円借款「マレーシア日本国際工科院(MJIIT)整備計画」に関する交換公文の署名式が行われました。
対象案件の概要
(1) 背景
ア MJIIT構想は,2001年にマレーシア側から提案されて以来,過去10年にわたり両国首脳間で協議されてきました。また,同構想は1981年に就任したマハティール首相(当時)により提唱され,良好な二国間関係の基礎となってきた「東方政策」の集大成と位置付けられるものです。
イ マレーシア政府は,「2020年国家発展構想」において,2020年までの先進国入りを志向し,「第10次5か年計画」(2011年~2015年)では,優れた人材基盤の構築・維持を重点施策の一つと位置付けています。特に,高等教育を拡充させ,産業のニーズに合致した高度な知識を有する人材の供給拡大を行う方針です。
(2)事業概要
ア この整備計画は,マレーシア工科大学(UTM)の国際キャンパス(クアラルンプール市内)内に学部及び大学院を有するMJIITに対し,実験用資機材の購入及びコンサルティングサービスを提供するものです。
イ この計画の実施により,マレーシア国内で高度かつ最新の日本型工学教育を実現し,高い技術,研究能力,労働倫理を備えた人材を養成することにより,同国の開発に寄与するとともに,我が国進出企業の現地における優秀な人材確保にも寄与し,今後の日本企業の進出に資することが期待されます。
ウ また,同時にこの計画を通じ,我が国の23大学を中心に構成する日本側コンソーシアムから,MJIITに対して日本人教員が派遣され,我が国の高等教育の国際化への貢献も期待されます。
供与条件
(1)金 利:年2.0%
(2)償還期間:30年(9年の据置期間を含む。)
(3)調達条件:一般アンタイド
*なお,本件に適用する金利,償還(据置)期間は,例外的な位置付けとして本件限りとするものです。
(参考1)
マレーシアの面積は約33万平方キロメートル(日本の約0.9倍),人口は約2,840万人(2010年),1人当たりのGNI(国民総所得)は7,900米ドル(2010年)です。
(参考2)
日本側では,協力大学の他,外務省,文部科学省,経済産業省,日本商工会議所及び国際協力機構(JICA)から成るコンソーシアムを形成し,カリキュラムの策定や日本人教員派遣等で協力。現在のコンソーシアム参加大学は,次の23大学。
九州大学,慶應義塾大学,埼玉大学,芝浦工業大学,拓殖大学,東海大学,東京農工大学,長岡技術科学大学,名古屋工業大学,北陸先端科学技術大学院大学,明治大学,立命館大学,立命館アジア太平洋大学,大阪大学,山口大学,近畿大学,東京工科大学,東京電機大学,東京理科大学,岡山理科大学,九州工業大学,金沢大学,豊橋技術科学大学(順不同)