平成23年10月27日
本27日(木曜日)(現地時間同日),イタリアのローマにおいて,我が方河野雅治駐イタリア大使と先方アミール・アブドラWFP事務局次長(Mr. Amir Abdulla, Deputy Executive Director, The United Nations World Food Programme)との間で,エチオピア連邦民主共和国を含む「アフリカの角」地域等の6か国に対するWFPを通じた食糧援助として,総額23億1,000万円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
食糧援助の対象内訳(カッコ内は供与額)
(1)エチオピア連邦民主共和国の社会的弱者 (5億8,000万円)
(2)ケニア共和国の社会的弱者 (6億円)
(3)ソマリア共和国の社会的弱者 (3億1,000万円)
(4)ジブチ共和国の社会的弱者 (2億1,000万円)
(5)スーダン共和国の社会的弱者 (4億1,000万円)
(6)南スーダン共和国の社会的弱者 (2億円)
各国事情
(1)エチオピアは,人口の約3割にあたる2,400万人の貧困層が慢性的な食料不足に苦しんでおり,今回の「アフリカの角」地域における大干ばつにより約450万人が食糧支援を必要としています。
(2)ケニアは,近年の国際的な食糧・燃料価格の高騰の影響を受けて,主食であるトウモロコシの自給率が激減している上に,今回の大干ばつによる被害が重なり,脆弱層が大幅に拡大しています。
(3)ソマリアは,治安の悪化から大量の難民や国内避難民が発生し,国民の多くが慢性的な食糧不足に苦しんでいます。さらに,今回の大干ばつにより同国南部の2割以上の人口が極端な食糧不足に陥っています。
(4)ジブチは,内陸部の不毛地帯に住む農牧民の多くが慢性的な食糧不足や貧困に苦しんでおり,今回の大干ばつの影響を受けて食糧不足の度合いが拡大しています。
(5)スーダンは,20年以上続いた内戦や西部のダルフール紛争などの影響により農地が荒廃しており,多数の国民が食糧不足や耕作地不足に直面しています。
(6)南スーダンは,本年7月にスーダンから独立しましたが,スーダンと同様に多くの農民が貧困層であり,独立後も多くの国民が慢性的な食糧不足に苦しんでいます。
今回の協力は,深刻な干ばつ被害等も踏まえて,WFPからの支援要請を受け,人道的見地から食糧援助を実施するものであり,この協力の実施により,これらの国々における食糧不足の緩和に繋がることが期待されます。なお,実施機関であるWFPは,今回の支援が食糧を真に必要とする人々に行き渡るよう管理・配給体制を改善しています。
また,我が国は,第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)において,アフリカ諸国の農業・食糧分野における取り組みへの協力を強化することを表明しており,今回のアフリカ向け支援はそれを具体化するものです。