平成23年8月31日
本31日(水曜日)(現地時間同日),イタリアのローマにおいて,我が方河野雅治駐イタリア大使と先方シーラ・シスルWFP事務局次長(Ms. Sheila SISULU, Deputy Executive Director)との間で,WFPを通じたバングラデシュ人民共和国ほか4か国に対する食糧援助として総額20億円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
(1)バングラデシュ人民共和国社会的弱者 | (8億1,000万円) |
(2)ウガンダ共和国社会的弱者 | (4億9,000万円) |
(3)チャド共和国社会的弱者 | (2億7,000万円) |
(4)中央アフリカ共和国社会的弱者 | (2億5,000万円) |
(5)レソト王国社会的弱者 | (1億8,000万円) |
各国事情
(1)バングラデシュは,人口の約4割が1日1米ドル以下で生活する貧困層に属するアジアの最貧国の一つです。GDPの約2割は農業生産ですが,近年の度重なる干ばつやサイクロンによる多大な被害を受けています。
(2)ウガンダは,北東部や北部で多くの環境破壊や自然災害,紛争が発生しているため,国民の8割を占める農民の間で貧困化が進んでおり,約300万人が極度の貧困状態となっています。
(3)チャドは,人口の約8割が貧困層に属し,そのほとんどが農業生産性の低い零細農家です。また,治安の不安定な国々と国境を接していることから多数の難民や国内避難民が発生する等,慢性的な食糧不足状態にあります。
(4)中央アフリカは,GDP産出の半分以上を農林業が占めていますが,多くは零細農家であり貧困状態にあります。また,同国のマクロ経済政策の失敗等により経済発展が大きく遅れています。
(5)レソトは,労働者の約9割が農業従事者であり,異常気象等により農業生産が落ち込んだ結果,農業収入の減少及び自家消費用の農産物の減少による食糧支出の増加という慢性的な貧困状態にあります。
この協力は,このような国々の社会的弱者の置かれた状況にかんがみ,WFPの支援要請に応え,人道的見地から食糧援助を実施するものであり,これらの国々における食糧不足の緩和に繋がることが期待されます。
なお,我が国は,第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)において,アフリカ諸国の農業・食糧分野における取り組みへの協力も強化することを表明しており,上記のうちアフリカ向けのものはそれを具体化するものです。