平成23年3月4日
3月4日(金曜日)(現地時間同日),カメルーン共和国の首都ヤウンデにおいて,我が方山本啓司駐カメルーン国大使と先方ルイ・ポール・モタゼ経済・計画・国土整備大臣(Luis Paul MOTAZE, Minister of Economy, Planning and Regional Development)との間で,29億3,900万円を供与限度額とする円借款「送配電網強化・拡充計画(The Project to Strengthen and Extend the Electricity Transmission and Distribution Networks)」に関する書簡の交換が行われました。
カメルーン共和国の電力需要は毎年増加を続けており,10年後の国内電力需要は現在の約2.5倍にも達すると推計されているのに対し,電源開発もこれに対応して進められているものの,送配電網等の電力流通設備の老朽化に起因する供給能力,供給信頼度の低さが大きな課題となっています。また,同国の電化率は全国で22%,地方部で3.5%と低い水準にとどまり,経済成長のための基盤を整備するとともに,農村部を中心とした生活環境を改善するためにも電化率の向上が望まれています。
この計画は,カメルーン共和国において,電力流通設備である変電所及び高中圧送電線を新設することにより,電力エネルギー輸送能力の強化及び未電化世帯に対する電力供給の普及を図り,もって同国の経済・社会活動の活性化及び住民の生活水準向上に寄与するものです。なお,この計画は,灯油やディーゼル燃料を用いた電力エネルギーから水力発電による電力エネルギーへの切り替えを通じて,地球環境負荷の軽減にも貢献します。
この円借款の供与条件は以下のとおりです。
金 利:年 0.30%
償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
調達条件:一般アンタイド
我が国は,2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)等において,アフリカ諸国のインフラ分野における取組みへの協力を強化することを表明しており,この計画はそれを具体化するものです。
また,この計画は,2009年12月に発表した気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環です。我が国としては,すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意に向けた国際交渉の進展を目指して,カメルーンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
(参考)
カメルーン共和国は, 面積約47万5千平方キロメートル, 人口1,952万人(2009年), 人口1人当たりのGNIは1,170米ドル(2009年)。