平成22年7月8日
モーリシャス政府は,持続可能な経済成長には環境保護と国民健康増進が必須との認識の下,「第一次国家環境行動計画」を策定し,同計画の下,各世帯の下水処理システムへの接続義務化や戸別接続料金の無償化等を定め,下水処理システムの整備を進めています。都市部では, 環境や衛生状況に一定の改善が見られているものの,地方部では, 下水処理システムに未接続の世帯が依然として多く,未処理の排水が, 地下や海中に放流されています。
本円借款は,モーリシャス北部に位置するグラン・ベ地域のうち,下水処理システムに未接続の地域を既存下水処理場に接続し,同地域における下水処理率の向上を図るものであり,本協力により環境保全,公衆衛生の向上が期待されます。
本円借款の供与条件は以下のとおりです。
(1)金利:年0.6%
(2)償還期間:15年(5年の据置期間を含む)
(3)調達条件:一般アンタイド
我が国は,「環境」をモーリシャスに対する援助重点分野の1つとしています。また2008年5月に開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)において,優先事項として「環境・気候変動問題への対応」を挙げ,その具体的支援分野として「水と衛生」を位置づけています。本件協力は,こうした方針を具体化するものです。
(参考)モーリシャス共和国は,アフリカ東部のインド洋に位置する島嶼国で,面積約2,045平方キロメートルを有し,人口は約130万人(世銀,2008年)。一人当たりGNI(国民総所得)は約6,400米ドル(世銀,2008年)。