平成23年3月15日
- 15日(火曜日)(現地時間同日),カンボジアの首都プノンペンにおいて,我が方黒木雅文駐カンボジア王国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で,総額77億5,800万円を限度とする以下の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
(1)「第六次地雷除去活動機材整備計画」(供与限度額:12億9,800万円)
(The Project for Improvement of Equipment for Demining Activities (Phase VI))
(2)「第三次プノンペン市洪水防御・排水改善計画」(供与限度額:37億円)
(The Project for Flood Protection and Drainage Improvement in the Phnom Penh Capital City (Phase III))
(3)「地方州都における配水管改修及び拡張計画」(供与限度額:27億6,000万円)
(The Project for Replacement and Expansion of Water Distribution Systems in Provincial Capitals)
- 「第六次地雷除去活動機材整備計画」は,カンボジアの地雷除去活動の中心的役割を果たしているカンボジア地雷対策センター(CMAC)に対し,地雷・不発弾除去活動に必要な資機材を供与するものです。カンボジアでは,人口の8割が居住する農村部に地雷・不発弾が集中し,紛争終結後20年以上経過した現在でも危険な状況が続いており,地雷・不発弾の除去による安全確保が課題となっています。この計画の実施により,CMACの安全かつ効率的な地雷除去,不発弾処理活動が促進されるとともに,地域住民が脅威から解放され,農地開発等による地域経済が活性化されることが期待されます。
- 「第三次プノンペン市洪水防御・排水改善計画」は,プノンペン市で頻発する洪水被害の抑制のため,第二次計画に引き続き,同市南東部を対象に排水管の敷設等を行うものです。プノンペン市では,洪水による床上・床下浸水,道路の水没等が年に10~20回程度発生し,また,気候変動の影響に脆弱であることから,経済活動・市民生活に深刻な支障をきたしており,排水施設の整備・改善が緊急の課題となっています。この計画の実施により,浸水被害が抑制され,円滑な経済活動の確保,水因性疾病の蔓延防止に寄与することが期待されます。
本案件は2009年12月に発表した,気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環です。我が国としては,すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意に向けた国際交渉の進展を目指して,カンボジア王国と引き続き気候変動分野で連携していきます。
- 「地方州都における配水管改修及び拡張計画」は,プルサット,シハヌークビル,バッタンバンの各州都において,配水管網の更新・拡張工事を行い,給水率及び安全な水の供給率を向上させるものです。カンボジア政府は2015年までに安全な水の供給率を80%まで引き上げる目標を掲げていますが,本件対象の3州都においては,配水管網の未整備,既設配水管網の老朽化による漏水等の理由により,現時点で供給率は約30%に留まっています。この計画の実施により,1日の最大給水量が現状より5割増加(約5.6万人分の水需要に相当)すること,及び各水道局の経営改善に寄与することが期待されます。
(参考)
- カンボジア王国は,面積約18.1万平方キロメートル,人口1,340万人(2008年),人口一人あたりのGNI(国民総所得)は650ドル(2009年,世界銀行)
- 「第六次地雷除去活動機材整備計画」:CMACの活動地域図(PDF)

- 「地方州都における配水管改修及び拡張計画」:プロジェクト位置図(PDF)

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