平成23年3月9日
3月9日(水曜日)(現地時間同日),カブール市において,我が方高橋礼一郎駐アフガニスタン国大使と先方ザルメイ・ラスール・アフガニスタン・イスラム共和国外務大臣(Dr. Zalmai Rassoul, Minister of Foreign Affairs, Islamic Republic of Afghanistan)との間で,以下2案件(総額38億3,600万円)に関する書簡の交換が行われました。
(1)「ノン・プロジェクト無償資金協力」(供与額28億円)
(2)「バルフ県立病院機材整備計画」(供与額10億3,600万円)
案件概要
(1)「ノン・プロジェクト無償資金協力」
アフガニスタンの復興と開発は,「テロとの闘い」の文脈において,不安定な状況が続く中東地域の安定にとって大きな意味を持つ,国際社会全体の関心が極めて高い課題です。国家の再建途上にあるアフガニスタンは,巨額の経常収支赤字や公的債務を抱え,開発事業を実施するための費用や行政経費を賄うための国内歳入が引き続き不足しており,国家運営のためにドナーからの支援が不可欠な状況です。本件は,アフガニスタンの厳しい経済状況を緩和するため,ディーゼル燃料等必要な物資を購入するための資金を供与するものであり,アフガニスタン国内の安定化や復興・開発に資することが期待されます。
(2)「バルフ県立病院機材整備計画」
アフガニスタンでは,長期に亘る内戦の影響を受け,保健・医療環境が極めて脆弱であることから,平均寿命,乳幼児死亡率及び妊産婦死亡率も世界最低の水準にあり,医療・保健サービスが普及していない地域は未だ多く存在しています。本件は,北部バルフ県立病院に医療機材の供与を行うことにより,マザリシャリフ市約35万人,バルフ県約120万人に対する医療診断・治療サービスの向上が図られるとともに,バルフ県を中心とする周辺地域約600万人の適切な患者紹介・搬送システムの強化が期待されます。
【参考】アフガニスタンの面積は約65.2万平方キロメートル(日本の約1.7倍),人口は約3,000万人(推定)。