平成22年8月2日
本2日(月曜日)(現地時間同日),コートジボワール共和国のアビジャン市において,我が方岡村善文駐コートジボワール国大使と先方浦元義照・国連工業開発機関事務次長(Mr. Yoshiteru URAMOTO, Deputy to the Director-General of the United Nations Industrial Development Organization)との間で,3億2,500万円の紛争予防・平和構築支援無償資金協力「紛争後復興及び平和構築のための青年職業訓練計画(the Programme for Youth Training for Post-Conflict Recovery and Peace Building)」に関する書簡の交換が行われました。
コートジボワールでは,2002年9月に発生したクーデターや内戦の影響を受け,不安定な社会・経済情勢が続いており,約400万人とされる青年層が高い失業率に直面しています。青年層が職業訓練等の教育を受けられないため,同国の安定に不可欠な元兵士等の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)の要所である北部地域において,除隊兵士を含む青年層の経済的自立・社会復帰が進捗せず,深刻な課題となっています。
本件協力は,国連工業開発機関(UNIDO)を通じて,コートジボワール共和国北部地域において,除隊兵士及び女性を含む青年層の職業訓練環境を改善することを目的に,青年約3,000名を対象とした職業訓練施設整備に必要な資金を供与するものです。
本件協力により,事業開始後10年間で,コートジボワール北部ブアケ地区及びアフォトボ地区における若年失業者8万人を対象に職業訓練が実施され,うち約4割が生計向上の手段を習得することが見込まれます。また,上記施設における職業訓練の実施を通じ,北部地域における武装解除・動員解除・社会復帰が促進されることが見込まれます。
我が国は,2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)等において,アフリカ諸国における平和の定着への協力の強化について表明しており,本件協力はその支援策の一つです。
(参考)
コートジボワール共和国は,アフリカ西部に位置し,面積約32.24万平方キロメートル,人口約2,010万人(2009年),1人あたりのGNI(国民総所得)880米ドル(2009年)。