国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

フィリピン共和国に対する円借款及び無償資金協力に関する書簡の交換について

平成22年3月15日

  1. 本15日(月曜日)(現地時間同日)、フィリピンの首都マニラにおいて、我が方桂誠駐フィリピン国大使と先方アルベルト・ロムロ外務長官(Mr. Alberto G. Romulo, Secretary of Foreign Affairs)との間で、総額230億5,000万円を限度とする下記2件の円借款及び総額31億8,900万円を限度とする下記3件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
  2. フィリピンは、我が国と民主主義等の価値観を共有し、東南アジアにおいて中核的な役割を担う、我が国の重要なパートナー国の一つです。我が国は、フィリピンの持続的経済成長、貧困層の自立支援や生活環境改善、人材育成等に関する分野を中心に支援を行っています。
  3. なお、無償資金協力案件のうち二件(下記5.(1)及び(2)参照)は「鳩山イニシアティブ」の一環として実施することとした案件です。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して、コペンハーゲン合意への賛同に向けた働きかけも含め、フィリピンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
  4. 円借款

    (1)第三次開発政策支援計画(the Development Policy Support Program III

     フィリピンにおいては、財政、予算執行・調達、ビジネス投資環境整備等の分野で、更なる制度整備や改革を必要としています。この円借款は、アジア開発銀行(ADB)が実施している開発政策支援計画に対し協調融資を行うことにより、フィリピンの各種政策改革を支援するものです。

      (イ)供与限度額:92.20億円
      (ロ)金利:年1.4%(一般条件)
      (ハ)償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
      (ニ)調達条件:一般アンタイド

    (2)緊急財政支援円借款(the Emergency Budget Support Japanese ODA Loan

     フィリピンは世界的な金融危機により財政赤字の拡大等の影響を受けています。この円借款はフィリピンに緊急的な財政支援を行うことで、フィリピンの持続的成長を確保し、景気回復を促進するものです。

      (イ)供与限度額:138.30億円
      (ロ)金利:円LIBOR(6ヶ月)
      (ハ)償還期間:15年(3年の据置期間を含む。)
      (ニ)調達条件:一般アンタイド

  5. 無償資金協力

    (1)太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画(the Project for Introduction of Clean Energy by Solar Electricity Generation System)(供与限度額:6億円)

     太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画は、メトロ・マニラ圏内のタギグ市において、系統連系型の太陽光発電装置を設置するとともに、同装置の運営・維持管理等に必要な技術的研修を実施し、フィリピン政府の省エネルギー・クリーンエネルギー化推進を支援するものです。これにより、我が国の優れた環境関連技術がフィリピン政府をはじめとする関係機関、国民に広く紹介され、また、フィリピン国内における火力発電用の化石燃料の消費量低減により、温室効果ガスの排出削減に貢献することが期待されます。

    (2)気候変動による自然災害対処能力向上計画(the Programme for the Improvement of Capabilities to cope with Natural Disasters Caused by Climate Change)(供与限度額 15億円)

     気候変動による自然災害対処能力向上計画は、近年気候変動のもたらす悪影響により水害が多発しているルソン島南部ビコール地方のビコール河流域における観測施設の整備等を行い、フィリピン政府の防災対策及び洪水等の自然災害の激甚化対策を支援するものです。これにより、水害等の自然災害による被害が軽減されることが期待されます。

    (3)オーロラ記念病院改善計画(the Project for Improvement of Aurora Memorial Hospital)(供与限度額 10億8,900万円)

     オーロラ記念病院改善計画は、病院施設の建設及び医療機材の整備によりオーロラ州の州立病院であるオーロラ記念病院の機能強化・改善を行うものです。オーロラ州内には現在手術や集中治療等を実施できる病院が無く、手術や集中治療を必要とする場合、州都バレールから4時間かかる隣接州の病院まで搬送しなければなりませんが、本計画の実施により、手術や集中治療等が実施できるようになるほか、診療可能な疾病の範囲が拡がるなど、オーロラ州の保健医療サービスの質の向上が期待されます。

(参考)

  1. フィリピン共和国は、面積約30万平方キロメートル、人口9,160万人(2009年)、人口一人当たりのGNI(国民総所得)は1,890ドル(2008年)。
  2. 「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」及び「気候変動による自然災害対処能力向上計画」計画実施地域図(別添)(PDF)PDF
  3. 「オーロラ記念病院改善計画」計画実施地域図(別添)(PDF)PDF

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