平成21年12月12日
- 12月12日(土曜日)(現地時間同日)、イエメンの首都サヌアにおいて、我が方敏蔭正一駐イエメン国大使と先方アブドルカリーム・イスマイール・アル=アルハビー経済担当副首相兼計画・国際協力大臣(H. E. Mr. Abdulkarim Ismail Al-Arhabi, Deputy Prime Minister for Economic Affairs, Minister of Planning and International Cooperation)との間で、我が国のイエメンに対する一般文化無償資金協力「国立サヌア大学中央研究室研究機材整備計画(the Project for the Improvement of Research Equipment for the Central Laboratory of Sana'a University)」に関する8,900万円を限度とする交換公文の署名式が行われました。
- イエメンは我が国の通商ルートであるアデン湾に面し、湾岸の大産油地帯に隣接する戦略的要地に位置し、その安定は石油資源の輸入の多くを湾岸産油国に依存している我が国にとって非常に重要です。特に近年のアデン湾における海賊事件の増加により、同国に対する支援の重要性は高まっています。
- 国立サヌア大学はイエメンの最高学府として高等教育分野の中心であり、人材育成に大きな役割を果たしています。同大学の中央研究室は大学各学部で個別に実施してきた理科系調査研究を一元的にまとめ、学術研究・高等教育を推進し、国民に研究成果を還元・普及することを目的に設立されました。本計画は、この中央研究室において、イエメンで喫緊の課題となっている環境汚染物質の分析・研究に取り組むために必要な機材を整備するもので、同分野での研究振興や人材育成に資するものです。更に、この分析・研究結果は、イエメンにおける環境・保健分野の対策強化に寄与することが期待されます。
(参考)
イエメンは面積55.5万平方キロメートル(日本の約1.5倍)、人口約2,238万人(世銀、2007年)一人当たりのGNI(国民総所得)約950米ドル(世銀、2008年)