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パキスタン・イスラム共和国に対する国際連合開発計画(UNDP)を通じた無償資金協力「北西辺境州における平和構築及び経済復興を通じた持続可能な開発計画」に関する書簡の交換について

平成21年12月10日

  1. 我が国政府は、国連開発計画(UNDP)等がパキスタン北西辺境州における武装勢力掃討作戦の影響を受けた地域で行う「北西辺境州における平和構築及び経済復興を通じた持続可能な開発計画(the Programme for the Sustainable Development through Peace Building and Economic Recovery in North West Frontier Province, Pakistan)」の実施のため、11億3,400万円の紛争予防・平和構築無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、本10日(木曜日)(現地時間同日)、パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて、我が方渥美千尋駐パキスタン国大使と先方田中敏裕国連開発計画パキスタン事務所長(Tanaka Toshihiro, Country Director, United Nations Development ProgrammeUNDP), Pakistan)の間で行われました。
  2. 本計画は次のとおりです。

    (1)本計画の内容

     北西辺境州における武装勢力掃討作戦により被害を受けた国内避難民に対し、道路・飲料水供給施設等のインフラ整備、農業・畜産業・養鶏業等に関する職業訓練、モスク・学校・病院等の官公庁舎における暖房施設の設置、市民グループの設置及び地域コミュニティにおける窓口の設置等の支援を行うもの。

    (2)本計画の必要性

     本年4月に東京で開催したパキスタン・フレンズ閣僚会合において、ザルダリ大統領はテロ対策や経済改革といった諸課題に真剣に取り組むことを表明した。その一環として、4月末より北西辺境州のブネール郡及び下ディール郡において武装勢力掃討作戦が開始されたが、その結果、当該地域の住民の多くが国内避難民として周辺地域に流出するという影響があった。
     掃討作戦は一定の成果を収めたため、7月よりパキスタン政府の下、国内避難民の帰還が進められている。国内避難民の帰還・再定住は、社会の安定に直結すると共に、テロ対策においても重要な要素の一つであることから、紛争地域の地方自治体の能力強化、農業・非農業を通した生計の確保、基礎的インフラの再生等を通じた、復興及び再建に資する取組が重要である。このような状況の中、UNDPより我が国に対して本件への協力の要請があったものである。

    (3)本計画の効果

    • 掃討作戦の影響を受けた人々の経済状況が、生計手段の確保、技能修得により改善される。
    • 地域コミュニティの平和構築能力やコミュニティ間の相互活動が活発化し、武装勢力への若者の参加が減少する。
    • 行政機関の能力や市民間の結束が強化され、地域の持続可能な発展が可能となる。

(参考)

 パキスタン・イスラム共和国は、面積約79.6万平方キロメートル、人口約1億6,090万人(2007年度)

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