平成20年10月1日
- 我が国政府は、ニカラグア共和国政府に対し、2億9,000万円の無償資金協力(貧困農民支援)を行うこととし、このための書簡の交換が、10月1日(水曜日)(現地時間9月30日)、同国の首都マナグアにおいて、我が方斎藤伸一駐ニカラグア国大使と先方サムエル・サントス・ロペス外務大臣(Samuel Santos López, Ministro de Relaciones Exteriores de la República de Nicaragua)との間で行われた。
- 本件の概要は次のとおりである。
(1)本無償資金協力の内容
- 貧困状況に置かれたニカラグアの農民に対する支援と、同国政府の食糧増産に向けた自助努力の支援を目的として、主要食用作物の栽培に必要な肥料を調達するために必要な資金を供与する。
(2)本無償資金協力の必要性
- ニカラグア共和国において、農業はGDPの30%、労働人口の38%を占める基幹産業である。しかしながら、全国土面積に占める農地の割合は15.4%という低水準に留まっており、また農業の大部分を不安定な天水に頼っているため、その生産量は概して低く、需要に対する不足分を海外からの食糧援助及び輸入に頼っている状況である。また、農民の約80%は、一般市場における十分な農業資機材購買力を備えていない中小規模貧困農家である。
- ニカラグア共和国政府は2001年に国家開発計画(「貧困削減戦略ペーパー(PRSP)」)、2004年には農業農村開発計画(「農村生産性開発セクター・プログラム
PRORURAL」)を策定し、PRORURALの中の優先分野の一つとして食糧安全保障に取り組んできている。
- このような状況の下、ニカラグア共和国政府は、主要食用作物を栽培する中小農家に対して高品質な肥料を比較的廉価で販売することにより生産性の向上を図り、ひいては食糧安全保障、国民の栄養改善及び農村地域における貧困削減を目指すとして、肥料調達の資金につき、我が国の無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本無償資金協力の効果
- 今回の供与品目は肥料であるが、肥料の活用による主要食糧の生産性向上や農民の収入増加が期待される。
(参考)
ニカラグア共和国は、面積約13万平方キロメートル、人口549万人(平成17年)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)約1,000米ドル(平成18年)である。