平成20年8月13日
- 我が国政府は、ニカラグアにおけるコミュニティ開発支援無償資金協力「北部地域教育施設改修及び機材整備計画(proyecto de Rehabilitación y Equipamiento de Centros Escolares en la Región Norte de Nicaragua) 」の実施のため、総額10億1,600万円を供与額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月13日(水曜日)(現地時間8月12日(火曜日))、同国の首都マナグアにおいて、我が方斎藤伸一駐ニカラグア共和国大使と先方サムエル・サントス・ロペス外務大臣(Samuel Santos López, Ministro de Relaciones Exteriores de la República de Nicaragua)との間で行われた。
- 本計画の概要は以下のとおりである。
(1)本計画の内容
本計画は、ニカラグア北部の開発が遅れている中部山岳地帯に位置する5県(マタガルパ県8校、ヒノテガ県7校、エステリ県5校、マドリス県2校、ヌエバ・セゴビア県5校)において、27の初中等教育施設の整備及び教育家具の調達を行うために必要な資金を供与する(教室、校長室・副校長室、教員室、補助ユニット、トイレ整備等)。
(2)本計画の必要性
- ニカラグアでは、1988年の暫定停戦合意までの約10年間、左派革命政権と反革命勢力「コントラ」の間で激しい内戦が行われ、国土と社会経済に荒廃をもたらした。1990年の民主選挙後は、1994年に世銀・IMFの構造調整を受け入れるなど、着実な経済復興に取り組んできているが、依然として中南米地域の最貧国の1つである。
- ニカラグア政府は、2003年に国家開発計画を策定、教育を社会経済開発を達成するための根本的基盤と位置づけ、学習の質の向上のためには教育施設の建設・修復が重要であるとしている。また、2015年までに果たすべき教育目標として初等教育純就学率90%の達成を掲げ、2004年から2006年までに全国で3,218教室の整備を行ってきた。
- しかしながら、依然として教室は絶対的に不足しており、2007年現在、基礎・中等教育における1教室あたり生徒数は58人と、ニカラグアが定める定員35名を大きく上回っている状況である。
- 特に中部山岳地帯に位置する5県では、簡素な小屋や民家で授業を実施したり、二部制、三部制で授業を実施する学校もあり、就学率が全国平均を大きく下回っており(初等教育(全国平均85.8%、5県平均79%)、中等教育(全国平均45.7%、5県平均37.7%))、非識字率も5県平均で29.7%に達するなど、教育の遅れが深刻である。
- こうした中、ニカラグア政府は、中部山岳地帯に位置する5県(10市)において優先的に対策が必要な27教育施設の改善につき、我が国のコミュニティ開発支援無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
本件の実施により、以下のような成果が期待される。
- 対象地域において、良好な環境で学習できる生徒数が大幅に増加する。
- 対象地域において、現在、2,500名余が二部制での授業を余儀なくされているが、これら生徒の学習環境が大幅に改善する。
(参考)
- ニカラグア共和国は、面積13万平方キロメートル、人口553万人、人口1人当たりのGNI930米ドル(2006年世銀)である。
- サイト位置図(添付)(PDF)

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