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コンゴ民主共和国に対する国際連合児童基金(ユニセフ)を通じた無償資金協力
「コンゴ民主共和国における小児感染症予防計画」に関する書簡の交換について

平成20年6月20日

  1. 我が国政府は、コンゴ民主共和国政府に対し、ユニセフを通じ、「コンゴ民主共和国における小児感染症予防計画(the Project for Infectious Diseases Prevention and Control for Children in the Democratic Republic of the Congo)」の実施に資することを目的として、3億9,900万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月20日(金曜日)(現地時間、同日)、同国の首都キンシャサにおいて、我が方北澤寛治駐コンゴ民主共和国大使と先方アンソニー・ブルームベルグ・ユニセフ在コンゴ民主共和国事務所代表(Mr. Anthony BLOOMBERG, UNICEF Representative in the Democratic Republic of the Congo)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

    • コンゴ民主共和国保健省とユニセフが協力して実施する、小児感染症予防計画に必要なポリオ・ワクチン、マラリア対策の防虫蚊帳、経口補水塩・亜鉛を調達・配布等するための資金を、ユニセフに対して供与する。

    (2)本計画の必要性

    • コンゴ民主共和国の保健医療事情は、他の開発途上国と比較しても劣悪であり、乳幼児の健康改善は緊急の課題であるが、長期に亘る紛争や経済の疲弊等により、保健医療サービスは極めて低水準にある。
    • コンゴ民主共和国は、90年代までポリオの多数発生国であったが、ユニセフ、WHOを中心とする援助国、機関がポリオ予防接種体制の構築に尽力したこともあり、2000年以降はポリオ野生株の発生は報告されていなかった。しかしながら、06年以降、再び連続してポリオが発生しており、再流行の危険性が深刻となっている。
    • また、同国ではマラリア、麻疹等の小児感染症が多数発生しており、特にマラリアは死亡要因の第一位を占め、5歳未満児を中心として年間約20万人が犠牲となっている。さらに、下痢が5歳未満児の病気や死亡の大きな原因となっている。
    • コンゴ民主共和国政府は、保健医療体制の整備構築に努めており、特に全国的な予防接種実施体制の構築や、マラリア防止のための防虫蚊帳の配布事業を推進しているが、同国政府の財政状況は厳しく、かかる計画の実施もユニセフ等の国際機関や各国の支援なくしては困難であることから、我が国にワクチン、医薬品、機材等の調達に必要な資金につき、無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    • 本計画の実施により、計9州の5歳未満児約6.2百万人に対するポリオ・ワクチンの予防接種の実施が可能となり、コンゴ民主共和国におけるポリオ撲滅に貢献する。また、マラリア防虫蚊帳20万帳の供与により、赤道州における5歳未満児又は妊産婦のマラリア感染が予防される。さらに、経口補水塩及び亜鉛の供与により、5歳未満児約1.19百万人の下痢症状を緩和することが可能となる。

(参考)

 コンゴ民主共和国は、面積約234.5万平方キロメートル、人口5,930万人(平成18年)、人口1人当たりのGNIは130米ドル(平成18年)である。

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