平成20年6月16日
- 我が国政府は、イエメン共和国政府に対し、4億円のノン・プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月16日(月曜日)(現地時間同日)、同国の首都サヌアにおいて、我が方敏蔭正一駐イエメン国大使と先方アブドルカリーム・イスマイール・アル=アルハビー経済担当副首相兼計画・国際協力大臣(H. E. Mr. Abdulkarim Ismail Al-Arhabi, Deputy Prime Minister for Economic Affairs & Minister of Planning and International Cooperation)との間で行われた。
- 本無償資金協力の概要は次のとおりである。
(1)本無償資金協力の内容
今回の無償資金協力は、イエメンによる経済・社会開発に向けた取り組みを支援するために実施するもので、同国政府が積み立てる見返り資金と併せ、この取組みに必要な物品の購入に充てる資金を供与するもの。
(2)本無償資金協力の必要性
- イエメン政府は、国家貧困削減開発計画(DPPR:第二次PRSPと第三次国家開発計画を統合したもの)に基づき、国内の経済改革、行・財政改革への取り組みを進めている。
- 他方、財政収入の6割以上を占める石油収入が年々減少しており、急激な人口増加、水資源の不足、電力を含めた経済インフラの未整備、非エネルギー分野の産業の立ち後れなど構造的な問題を抱えるイエメン経済は依然として厳しい状況にある。2006年のイエメン支援国会合以降、ドナーによる支援は拡大しているが、開発資金の不足等により貧困削減や経済社会開発について具体的な成果を挙げるまで至っていない。
- かかる状況を受け、イエメン政府は、経済社会開発への取り組みに必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本無償資金協力の効果
- 我が国の支援により、上述の構造的な問題に対し、イエメン政府の取組み努力を支える効果が期待できる。
- 我が国の支援を通じ、地政学的に重要な位置に所在するイエメン国内の政治的・経済的・社会的安定を図ることにより、湾岸地域全体の安定に資することが期待できる。
(参考)
イエメンはアラビア半島南端に位置し、北はサウジアラビア、東はオマーンといったGCC諸国に隣接し、「アフリカの角」に近接する地政学的に重要な位置に所在するとともに、中東アラブ地域で最も開発が遅れた国(一人あたりGNI:760ドル(06年))で、面積は55.5万平方キロメートル(日本の1.5倍)人口2,230万人(07年)の国である。