平成20年6月12日
- 我が国政府は、マダガスカル共和国政府に対し、「予防接種強化計画」 (le Projet de Renforcement du Programme Élargi de Vaccination)の実施に資することを目的として、2億2,800万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月12日(木曜日)(現地時間、同日)、アンタナナリボ市において、我が方川口哲郎駐マダガスカル共和国大使と先方マルセル・ランジェヴァ外務大臣(Marcel RANJEVA, Ministre des Affaires Etrangeres de la Republique de Madagascar)との間で行われた。
- 本計画の概要は次の通りである。
(1)本計画の内容
マダガスカル保健家族計画省が、マダガスカル各地の病院、診療所等において、新生児等のための予防接種ワクチンの保冷機材を整備する計画の実施のために必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- マダガスカルでは、5才未満児死亡率が1,000人中119人、乳児死亡率も1,000人中33人を記録する等、各種保健指標が劣悪な状況にある。このため、マダガスカル政府は、その国家開発行動計画の中で、保健医療を優先分野の一つと位置付け、乳幼児死亡率の半減を目標に掲げている。特に、同国では感染症が乳幼児死亡原因の高い比率を占めているため、麻疹、ポリオ等の予防接種の普及・拡大が重要課題となっている。
- 予防接種の普及には、冷蔵庫等、ワクチンの保冷保存施設が不可欠であるが、マダガスカルでは関連機材の不測と老朽化によりワクチンの保存・保管が困難な場合が多く、予防接種率が71%に留まる原因となっている。マダガスカル政府は、ワクチン保冷機材の整備に努めているが、厳しい財政状況により、自助努力での対応が困難であるため、保冷機材の調達について、我が国に対して無償資金協力を要請したものである。
(3)本計画の効果
- ワクチン保冷機材の未設置施設への配備と、老朽機材の更新により、現在78%の整備率が92%に向上し、マダガスカルの1才未満児約100万人、リプロダクティブ齢期の女性約120万人に対する安定した予防接種が可能になる。
- 新生児の結核、麻疹、ポリオ等の予防接種率が向上し、感染症の罹患が減少する。
(参考)
マダガスカルは日本の約1.6倍の国土(約59万平方キロメートル)を有し、人口は約1,900万人、一人当たりGNI(国民所得)は約280ドルである。