平成20年6月4日
- 我が国政府は、トンガ王国政府に対し、「離島間連絡船建造計画(the project for Construction of the Inter-Islands Vessel)」の実施に資することを目的として、総額16億7,600万円(2か年にわたる国庫債務負担行為:平成20年度8億1,000万円、平成21年度8億6,600万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月4日(水曜日)(現地時間同日)、同国のヌクアロファにおいて、我が方滑川雅士駐トンガ王国特命全権大使(フィジーにて兼轄)と先方ソナタネ・ツアキナモラヒ・タウモエペアウ・トゥポウ外務大臣兼国防大臣代行兼ババゥ州知事代行(Hon. Sonatane Tu'akinamolahi Taumoepeau Tupou, Minister of Foreign Affairs, Acting Minister for Defence, Acting Governor for Vava' u)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- トンガ王国が新たな離島間連絡船(全長53メートル、総トン数1,500トン)を建造し、関連機材の整備を行うため必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- トンガ王国の第8次国家戦略開発計画では、持続的経済成長、環境保全と災害リスクの低減等8つの目標を掲げている。その実現のためには、離島間交通の安定化、離島への生活物資の安定供給等が重要である。
- 離島間連絡船は、首都ヌクアロファからババゥ諸島のネイアフまで週1便、さらにニウアス諸島のニウアフォウ及びニウアトプタプへは2か月に1便運航されており、これら離島間における旅客輸送の約47%、貨物輸送のほぼ全量を占め、生活に必要な物資を離島に供給し、人々を往来させる地域振興の重要なライフラインとなっている。
- 他方、「ト」国政府は、政府所属のオロバハ号を政府が100%出資するポリネシア船舶公社に貸与し定期運航にあたらせているが、オロバハ号は船齢25年に達し老朽化が著しく、船体の腐食、諸機器の故障の頻発、安全設備の不備等により安全な運航が困難な状況に至っている。そのような危険な状態にも関わらず、貨物及び旅客を過積載した運航が常態化している。
- このような背景のもと、トンガ王国政府は「離島間連絡船建造計画」を策定し、我が国に無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 離島間連絡船において常態化されていた貨物過積載(2006年に53航海中47航海で過積載)や、乗客定員超過(2006年に4航海)が減少するとともに、許容安全貨物運送能力が現状の200トンから400トンになること等により、離島のライフラインの安定・増強が期待される。
- 離島産品の都市部への輸送が促進され離島の現金収入が増加したり、離島への物資の流入が盛んになり観光開発及び生活改善が促進するといった間接的効果が期待される。
(参考)
トンガは太平洋島嶼国の1つであり、面積は約700平方キロメートル、人口は約9.9万人である。