平成20年5月19日
- 我が国政府は、タジキスタン共和国政府に対し、「クルガンチュベ-ドゥスティ間道路改修計画」(The Project for Rehabilitation of Kurgan Tyube - Dusti Road)の実施に資することを目的として、34億3,200万円(4カ年に亘る国庫債務負担行為。平成20年度:3億7,900万円、平成21年度:9億300万円、平成22年度:11億4,300万円、平成23年度 10億700万円)を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月19日(月曜日)(現地時間、同日)、同国の首都ドゥシャンベにおいて、我が方平岡邁在タジキスタン国大使と先方ハムラーハン・ザリフィ外務大臣(H.E. Mr.Hamrokhon ZARIFI, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Tajikistan)との間で行われた。
- 計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
タジキスタン運輸通信省が、首都ドゥシャンベを中心に南北に延びる同国主要幹線道路の南ルートの一区間であるクルガンチュベ-ドゥスティ間の道路(59.9キロメートル)を改修するための資金を供与する。
なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は、平成19年12月21日に行われている。
(2)本計画の必要性
- タジキスタンは、国土の約90%以上が山岳地帯という内陸国であり、首都や主要都市から隣国へ通じる幹線道路は、同国経済や社会にとって最も重要なインフラである。しかしながら、同国の主要幹線道路の多くは旧ソ連時代に建設され、既に30年から40年が経過し、また、1991年の独立後の内戦及び経済の低迷等による劣化が非常に進んだ状態にあり、同国経済発展のボトルネックとなっている。
- 本案件の対象道路は、同国と隣国アフガニスタンの首都を結ぶ南北に延びる主要幹線道路の一区間であり、同国の国家長期計画(2006-2010)における優先道路となっていることに加え、アジアンハイウェイ構想の広域幹線道路としても位置づけられており、同国にとって非常に重要な路線と位置づけられている。
- しかしながら、同国では慢性的な予算不足のため、予算のうち殆どを他国や国際機関からの援助に依存しつつ、道路インフラ整備が進められている。具体的には、昨年8月にタジキスタンとアフガニスタンとの国境橋が米国の支援により完成し、またドゥシャンベ-クルガンチュベ間の道路(約93キロメートル)がADBにより改修され、更に、現在我が国無償資金協力によりドゥスティ-ニジノピャンジ間の道路(約24キロメートル)の整備が実施されている。これらの道路インフラ整備によって、今後は交通量(特に大型トラック、トレーラー等の大型車両)が増加することが予測されるが、本案件が対象とするクルガンチュベ-ドゥスティ間の区間の道路は地下水等の影響から基礎部の状況は悪く、短期間で舗装に深刻なダメージが発生することが予見されているため、広域幹線道路としての機能を確保するため、緊急の舗装打換え改修工事が必要とされている。
- このような状況の下、同国政府は、同区間の道路改修に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 本計画の実施により、対象区間において走行性が改善され円滑な交通が確保されることにより、始点から終点(市街地区を除く)間において、現行では安全に走行できる平均走行速度が30キロメートル毎時程度であるのが73キロメートル毎時程度に、市街地区間は20キロメートル毎時程度であるのが40キロメートル毎時程度に増加すると予測される。
- 路肩の付帯による歩行者・自転車と走行車両の分離により、当該道路の安全性が向上する。
- 広域幹線道路として、物的・人的交通が促進されることにより、社会・経済活動の活性化が期待される。
(参考)
- タジキスタン共和国は、中央アジアに位置する内陸国であり、人口は約660万人(2006年:国連人口基金)、一人当たりGDP(国民総所得)は426.5ドル(2006年:EBRD)の国である。
- プロジェクト対象の位置図(添付)(PDF)

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