国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

マリ共和国に対する無償資金協力(「シカソ地域飲料水供給計画」及び「マリーセネガル南回廊道路橋梁建設計画」)に関する書簡の交換について

平成20年5月17日

  1. 我が国政府は、マリ共和国政府に対し、以下の一般プロジェクト無償資金協力(供与限度額合計19億3,300万円)を行うこととし、このための書簡の交換が、5月17日(土曜日)(現地時間、5月16日)、マリの首都バマコにおいて、我が方迫久展在マリ国臨時代理大使と先方モクタール・ウアンヌ外務・国際協力大臣(Son Excellence Monsieur Moctar OUANE, Ministre des Affaires Etrangères et de la Coopération Internationale)との間で行われた。

    (1)「シカソ地域飲料水供給計画」(projet d' alimentation en eau potable dans la région de Sikasso):供与限度総額10億1,900万円(3ヵ年に亘る国庫債務負担行為。平成20年度:8,400万円、平成21年度:4億9,500万円、平成22年度:4億4,000万円)

    (2)「マリーセネガル南回廊道路橋梁建設計画」(projet de Construction des Ponts sur le Corridor du Sud en République du Mali et en République du Sénégal):供与限度総額9億1,400万円(2ヵ年に亘る国庫債務負担行為。平成20年度:3億8,900万円、平成21年度:5億2,500万円)

  2. 各計画の概要は次のとおりである。

    (1)「シカソ地域飲料水供給計画」

    (イ)本計画の内容

     マリ国エネルギー・鉱山・水省が同国シカソ州に安全な水を供給するため、人力ポンプ付き深井戸(91村落150箇所)及び簡易給水施設(5村落5箇所)の建設を行うための資金を供与する。
     なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は、平成20年1月17日に行われている。

    (ロ)本計画の必要性

    • マリは、1970年代に大干ばつの被害を受けたため、我が国を始めとする多くのドナーが1980年代より給水分野において継続的な援助を行ってきた。その結果、村落の給水状況は大きく改善され、危機的状況は脱してきている。しかし、比較的小規模な村落(人口400人以下)では、未だ衛生的な井戸を持たない村が多く、婦女子の過酷な水汲み労働、水因性疾患(下痢、腸チフス等)の深刻な問題を抱えている。
    • このような状況の下、同国政府は、同国の給水状況の改善を図るため、特に無給水村落が多いシカソ州に対し給水施設建設に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (ハ)本計画の効果

    • 本計画の実施により、対象村落において安全な水へアクセスできる人口が15,200人から78,500人に増加し、74の無給水村落に給水施設が建設される。
    • 対象村落の給水率が16.6%から85.5%に増加する。
    • 安全な水へのアクセス改善により、水因性疾患が減少し、婦女子の水汲み労働が軽減される。

    (2)「マリーセネガル南回廊道路橋梁建設計画」

    (イ)本計画の内容

     マリ国設備運輸省が同国首都バマコとセネガルの首都ダカールを結ぶ南回廊道路上に位置するバレ橋(橋長110メートル)の建設を行うための資金を供与する。
     なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は、平成20年1月17日に行われている。

    (ロ)本計画の必要性

    • 港湾を持たない内陸国のマリにとって、対外貿易には国際道路が不可欠である。マリの首都バマコとセネガルの首都ダカールを結ぶ国際道路網整備計画では、鉱物資源を有する金鉱山、国立自然公園、肥沃な土壌と恵まれた水源が存在する南回廊道路が、通行困難な山岳地域や橋梁未整備河川があるため整備が遅れていた。
    • この南回廊道路整備事業が日本国際協力銀行を含む複数のドナーにより開始されたことから、マリ政府は南回廊道路上に位置する河川に架かる橋梁建設に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (ハ)本計画の効果

    • 本計画の実施により、雨季(6月から9月)の間、車両通行が不可能であったが、通年の安定した旅客、貨物の交通が確保される。
    • バレ川の横断がこれまでの丸木船(約20分)から歩行による横断が可能となる(約2分)。
    • 沿道周辺地域の児童の通学が安全に行われ、就学率が上昇する。
    • 対岸の診療所へのアクセスが安全に確保される。

(参考)

  1. マリ共和国は、アフリカ西部に位置し、面積約124万平方キロメートル、人口約1,430万人(2007年)、1人あたりのGNI(国民総所得)約440米ドル(2006年)である。
  2. プロジェクト位置図及び完成予定図

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